マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#06 彼の一言



試験が終わった。やれる事は全てやった筈。
私は達成感と、そして疲労感で倒れそうだ。


「終わったわね。試験」

で?何だったのよと興味津々の彼女が目を輝かせ問いただしてきた。

「実はね・・・」

「は?それであんなに必死に勉強してたの?」

冗談でしょと彼女は言うが、私は本気だ。

「愛の力だよ。愛の」

「ふーん。愛ねぇ」



そして放課後になり、私は急いで彼の元へ行く。
この試験中ろくな会話も出来ないでいた為、私はマルコ先生不足なのだ。


「マルコ先生!!やっと終わりました」

「あぁ、お疲れさん。で?どうなんだい?」

手ごたえはあったかと聞いてくる彼。
そんなの・・・

「あるに決まってるじゃないですか!!」

どれ程身を犠牲にしてきたことか・・・彼は分かっていない。
私に与えたキスの効果を!!

「先生。一足先にキスしてください」

「寝言は寝て言えよい」

「・・・・」

視線を机に向けたまま息をするようにサラリとあしらわれる。

「結果はいつ分かるんですか?」

「あー、一週間はかかるだろうねい」

一刻も早く結果が見たい私はそんな素っ気ない彼を無いことにし会話を続けた。

そうして今日はテストも終わった事だし、少し長めに居ようかなと思っていたのに…だ。

「用事があるから、もう帰れよい」

「なっ?そんな…」

「気つけて帰れよい」

じゃ、と無情にも外に追い出されてしまった。


私はかなりのダメージを食らい沈んだ心で玄関へと足を向けようとした処で、
ガチャリと扉の開く音に振り返れば

「#name#。ゆっくり休めよい」

と、直ぐに扉は閉まったが、彼からの労りの言葉をもらえたのだ。

「……っっ!!」

そんな些細な一言で有頂天になれる私は頑張って良かったと軽やかな足取りで帰ったのだった。




「成る程な・・・」

その様子を、彼が見ていたとも知らずに。



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