マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#03 作戦始動



マルコ先生の助手席をゲットした私は、現在とてもご機嫌だ。

ここで彼の事を調査に入った。
好きな人の事は色々と知りたいものだ。

「マルコ先生、誕生日いつですか?」

「好きな食べ物は?」

「えーと、好きなタイプは?」

怒濤の如く質問攻めをお見舞いするも何故か無視をされている私。

「もう、聞いてますか?」

「聞いてるよい」

「じゃぁなんで無視…」

そう悲しさを纏い見つめれば、答えるのがめんどくさいと鼻で笑われた。

そんな強敵にグッと眉間に皺が寄る。

「こ、恋人はいるんですか?」

しかし一番重要な事を聞いてなかったと、立ち憚る強敵にさらに立ち向かえば、

「・・・居ないよい」

「っ!!!やった!」

さらりと漏れた返答に思わず声に出し喜んでしまう。
そんな私を呆れ眼で見据えるマルコ先生は溜息が後を絶たない。

「ったく、何なんだい?」

大人をからかうなと、本当にめんどくさそうに口にする彼に、

「私は本気です!」と、

少しむきになり反抗した。
私の気持ちが彼に通じない事は百も承知だ。
でも、この気持ちが本物だという事はわかってほしい。

でもまぁ、今日の今日で伝わる筈がない。
じっくりと分かってもらおう。




「ん?#name#は一人暮らしなのかい?」

入力したナビゲーションによって辿り着いた場所を見て、彼が口を開く。

「はい。高校入学してから一人暮らしです」

両親は海外ですよと説明すれば、へぇーと、これまたあまり興味はなさそうだ。

「お茶でもどうですか?」

是非是非上がっていって下さいと進めるが、

「いや、遠慮しとくよい」

淡白な彼は軽く手を上げ帰ってしまった。


脈は全くないが、私は初めての恋に明日からの学校生活が楽しくなるなと、
これからマルコ先生とどう絡もうかなど、
緩みっぱなしの顔で部屋へと足を向けたのだ。





そして、次の日から私のマルコ先生猛アタック作戦は幕をきった。

放課後。

「マルコ先生!勉強教えてください」

「・・・#name#。早く帰れぃ」

そんな冷たい言葉を吐きながらも、教科書を開けば仕方なくだが教えてくれる彼

本当は教えてもらわなくても余裕で分かるのだが、
今の所、彼との共通点がこれしかない私は絶妙な演技で分からない振りをする。

もちろん、ピトリと引っ付く事を忘れない。

「わかったかよい?」

「はい!ありがとうございました。」

あまりがっつくといけないと、今日はここで退散だ。

「はぁ・・・気つけて帰れよい」

「はい。大好きです先生」

さようならと、毎日必ず言おうと決めた"大好き"という言葉を伝え部屋を後にした。

いやんっ!もう大好きと、ニコニコ顔で玄関に向かう途中で突如低い声に呼び止められる。

「おい、待て」

名を呼ばれたわけではないので、自分の事なのか微妙な処だったが、
周りには私しか居なかったので一応振り向いてみる。

そこには、私の頭脳を上回った彼が無表情な顔付きで立っていたのだ。

「・・・? 呼んだ?」

彼とは言葉を交わした事は無い。何か用ですかという意味を込めて口を開いた。

「いや、用はねぇが・・・あんたが次席かと思ってな」

よく顔を見てみたかったのだと、足を止める程でもない用件に自然と眉間に皺が寄る。

「そう。じゃ」

せっかくマルコ先生との楽しい時間の余韻に浸っていたというのに・・・

瞬く間に不機嫌になった私は、そそくさとその場を後にしたのだった。


「いいな・・・あいつ」


そんな不敵な笑みを彼が浮かべていたとは知らず、
私はマルコ先生の写真をどう手に入れようかなどと考えながら、家路へと足を向けたのだった。




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