マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#36 重なる想い



驚いて言葉も出ない。
どうしてここに彼が居るのだろうか・・・

未だ私達は固まったまま見詰め合う事しか出来ずにいた。

それを打ち破ってくれたのは、

「マルコ?何してんの?」

「っ!! ああ、いや…」

中々帰ってこない私を探しに来てくれたのだろう彼に、少し感謝だ。

「ねぇ、#name#ちゃんが居な・・・いたいた!!」

そうして驚愕の表情のまま立ち尽くしている私にハルタさんが口を開く。

「あ、知ってるよね?#name#ちゃんとこの先生だもんね? 驚いた?彼はオレの家族なんだ」

「・・・ぇっと、え!?」

「ハルタ・・・まさか例の彼女って・・・」

「だからそんなんじゃないんだって。そうだよ#name#ちゃん知ってる?」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

驚きだ。まさかハルタさんとマルコ先生が家族だなんて・・・

「ちょっと・・・二人とも驚きすぎじゃない?」

「・・・あぁ、悪ぃ」

「・・・・・・」

私は未だにこの展開に頭が付いていかずただ呆然としていた。

「ほら、#name#ちゃん、行こ?」

「ハルタ、少し#name#を借りるよい」

「は?何で?」

「いいから、#name#、来いよい」

「っ・・・!」

ハルタさんの問いには答えず、グイグイと腕を引っ張られ彼の自室であろう部屋へと連れて行かれる。


そうして綺麗に片付けられた部屋の中央に位置するソファーに座らせられ、彼が口を開き出す。


「驚いたよい・・・ハルタと知り合いだったのかい?」

「あ、いや・・・はい」

「・・・その、何だ。いい仲なのかい?」

「いい仲?」

「・・・好きなのかい?」

「え?ハルタさんをですか?違いますよ!!」

それから、知り合った経緯や私たちの間柄などを話し、そう言えば自然に彼と話が出来ている事に少し驚いた。

「へぇ、そうだったのかい。世間は狭いねい」

「そ、そうですね」

急に緊張してきた私は思わず俯いてしまう。

「#name#・・・あー、あのよい」

「・・・?」

「あいつと・・・トラファルガーと付き合ってんのかい?」

「??いいえ…」

「そ、そうかい」

唐突な彼からの質問に疑問符を浮かべた。
何故ローと?一緒に居る所でも見られたのだろうか?

そうして少しの沈黙の後、彼が真剣な眼差しで私に向き合い問い掛けてきた。
その内容に私は一気に顔に熱が集まる。

「#name#。まだ着けててくれてたのかい?」

「ぁっ!これは・・・」

そう言って伸びてきた彼の手は、私の頬を伝い首もとのネックレスへと移っていく。

今日は首もとの開いた服を着ていた為、厭でもネックレスが丸見えだ。

あんなに露骨に避け大嫌いとまで言い放ったというのに、こんな物着けていたらまだ彼の事が好きだってバレバレではないか。

「#name#・・・まだオレの事」

「わっ、忘れてたんです!!は、外すの!!」

大袈裟に誤魔化してみたものの、両手を取られ向き合わされる。

「っ!だから・・・忘れてたんで・・・わっ」

言葉を言い終わる前に抱き締められた。

「ほんとの事言えよい」

「・・・・・・・」

もう、何でこんな・・・
だいたい言った所でどうなるのだろうか?

言わなくても未だにネックレスを着けていた時点で察して欲しい。

「#name#」


言ってしまおうか・・・まだ好きなんだと。大好きだと。

私は久し振りの彼の温もりや匂いを間近で感じ、少し気持ちが高ぶっていた。

「・・・好きだって・・・言ったら?」

「っ…!」

私のその言葉に抱き締める力が強くなる。

「い、痛いですよ!」

「さっきの・・・さっきのはどう言う意味だい?」

「っ・・・!どう言うって・・・」

「まだオレの事を思ってくれてるって事で・・・いいのかい?」

「・・・・・・」

何でわざわざそんな事聞くのだろうか。
しかもそんな・・・そんな優しい目で。
これじゃぁ、まるで・・・

「あー、もうダメだい」

そんな言葉を吐いたと同時に唇が重なる。

彼からの思いも依らぬ口付けに、私は吃驚し過ぎて体が硬直した。

それでも、まるで離れていた時間を全て埋め尽くしてくれる様な優しくて甘い口付けに、私は自然と体が解れていき彼に応えるかの様に背中に腕を回していく。

それを確認すると、ゆっくりと名残惜しそうに唇が離れていき、両頬を包み込まれ真剣な眼差しを向けられた。

「#name#。オレはお前の事が好きだよい」

「っ!?」

そんなまさかの告白に、また私は体が固まってしまったのだった。



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