マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#01 私の初恋



今日から無事高校に入学する事になった私は、まだ恋愛の"れ"の字も知らない小娘だ。

中学の時に何度か告白とやらをされたが、全くと言っていい程彼等に興味が沸かなかった。

周りの友人が次々と彼氏を作る中一人浮いた存在になった事もあったが、好きでもない人と付き合ったりなんて出来る訳がない。


そんな私は、少しの期待を込めてこれから始まる高校生活を送ろうとしていた。

一応、勉強だけは出来た私は、主席は逃したが次席というポジションを獲得した。

一体全体この私の頭脳を上回ったのは誰だと、トラファルガーと言う名の人物を探すが、顔を知らないのだから分かる筈がない。

いずれ分かるだろうと、幼馴染の彼女と共に平凡な高校生活を過ごしていた。



「ぱっとした男がいないわね」

「ぱっとってどんな男?」

「お金持ちの男の事よ」

「へぇ〜そっか」

そんな訳ないだろうと、小さい頃からお金に目がない彼女に突っ込みをいれる。

「#name#はわかってないわね。金の無い男はクズよ。クズ」

「はいはい」

毎度の事に適当に相槌をうち、ぱっとした男ねぇと周りを見渡してみた。

肉肉叫んでいる人、顔はまあまあだが終始寝ている人、やたら鼻の下が伸びている人、サングラスに帽子を被った怪しい人、そして・・・凄く整った顔立ちだが目付きが悪く怖そうな人。


のちのち分かったのだが、最後の怖そうな人が主席の座を勝ち取った人物だった。

なんで、あんなのが・・・
そう思った事は内緒だ。

だが、ナミの言う通りぱっとしない。
と言うより、私の心を動かす人が居なかった。

あぁ、私の春はいつになったら来るんだろうとナミに洩らせば、妥協したら?と簡単に言われる。

それは無理だ。妥協するくらいなら彼氏なんていらない。


そうこうしている内に、入学して一月が経とうとしていた。

今日の日直だった私は、数学のマルコ先生に頼まれ事をされていたのを思い出し放課後一人で作業を進める。

すると、ふわりと風が吹いたと同時に目に何か異物感を感じ思わず両手でごしごしと擦ってしまった。

気づいた時には既に遅く、私の生きる相棒コンタクト様が両目ともども外れてしまっていた。


「うそぉ・・・」

半端なく視力の悪い私は、コンタクトがないと全くと言っていい程見えない。

だが替えは持ってきておらず、諦めとともにマルコ先生の元へ提出物を渡しに行く事にした。


途中、ぶつかり、躓き、自分の視力と風に八つ当たりをしながらも、漸く辿り着いた数学準備室。

ノックをし扉を開けようとするが、ドアノブが思うように掴めず悪戦苦闘していると内側から扉が開いてくれた。

「あ、ありがとうございます」

「#name#かい・・・何やってんだい」

入れと促された部屋は微かに珈琲の匂いがして、よく見えないがかなり小奇麗な感じがした。

「あ、先生。これ、終わりましたよ」

「おお、ありがとよい」

無事使命を終えた私は、失礼しましたとお辞儀をし扉に向かおうとした瞬間、

「わゎ!!」

「おっ…」

見事に躓き、こけそうになった所をマルコ先生に支えられる。

彼に抱き付く様な姿勢の私は、ふいに彼の首元から香る匂いに胸をキュウッと掴まれる様な感覚に陥り、ドキドキと心臓までもが騒ぎ出した。

「大丈夫かい?」

何に躓いたんだい?と、不思議がっている先生にこの胸のざわめきは何なんだと、未だにマルコ先生に引っ付いたまま私は動けないでいた。


「・・・?どうした?」

すぐ近くで聞こえる声にまでドキドキしてしまう。

あぁ・・・これが恋かと、頭の回転だけは速い私は気付いてしまったのだ。

気付くや否や、更に抱き付く様にしがみつき、

「好きです」

突拍子もなく怪訝な表情の彼に、人生初の告白をしてしまったのだった。







「…は?」




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