マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#18 最強理性



マルコside




オレは今自己嫌悪に襲われていた。

ダメだと分かっているのに、ついつい#name#を甘やかしちまう。


しかし、あの時は本当に驚いた。

資料を取りに偶然入った教室で、#name#が襲われてやがったからだ。

思わず手が出そうになったが、ギリギリの所で落ち着かせた。

今思えば、あれは何だ?
まさか嫉妬か?

泣きながら抱き着く#name#に、何故か胸が締め付けられた。
多分オレは、守ってやりたいと…思っていたのかもしれない。

あの時したキスは、開けてはいけない箱を少し開けてしまった様で、これ以上はダメだと、もうしてはいけないと、オレはその箱に鍵を掛けたつもりだった。

それがどうだ。
やっと落ち着いたと思っていた矢先、急に#name#がキスをせがんできやがった。

オレの膝に乗り、色気まで出して自ら口付けてくる彼女に、

固く閉めた筈の鍵は、意図も簡単に開いてしまった。

このまま全てを奪ってやりたくなったが、自分の立場と言う大きな壁がオレにしっかりとストップをかけてくれた。



数日後、朝からビスタがなにやら忙しなく電話を掛けているのを見付け、声をかける。

すると、#name#が無断欠席していると。

電話も出ないしと、一人暮らしの彼女を心配した奴は様子を見に行くと言う。

そんな奴に、"オレが行く"と咄嗟に出てしまった言葉を吐けば、少し疑問な眼差しを向けながらも頼んだと任される。

オレは午前中の授業を、他の奴等に振り分け彼女の家へと急いだ。

途中、何度か電話をしたが、無機質な留守電の声しか聴けず家へ着きベルを鳴らすも応答はなかった。

まさか、こんなに早く合鍵を使う日が来るとは…

多少躊躇ったが、初めて掛けたオレからの着信を彼女が出ない訳がない。

何かあったに違いない。
オレはそう確信していた。

部屋に入ると、左手に寝室らしき扉があり、覗いてみるも彼女は居なかった。

家には居ないのかと、突き当たりの扉を開けてみる。

するとどうだ。
ソファーに寄り掛かる様に彼女が倒れているではないか。

それを捉えた瞬間、オレは直ぐに彼女を抱き抱えた。

心臓がやけに煩い。
幸い、息はしていたが酷い熱だ。

静かにベットまで運び、医者を呼んだ。

ビスタに連絡を入れ、状況を報告した後、取り敢えず熱を下げる道具を探してみる。

意外と綺麗に片付けられ、シンプルなインテリアに#name#らしいと頬が緩んだ。

そこで、ふとチェストに飾られていた写真立てに目が止まる。

「…!?」

そこには、いつ撮られたのか全く見覚えのない、オレの笑顔の写真が飾られていた。

「盗撮かよい…」

後でゆっくり、絞り出してやろうと、写真を伏せて置き直し氷水に浸したタオルを絞る。

そうこうしている間に、医者が到着し、彼女を診察し始めた。

結果は過労的な感じからくる風邪だと言う。

的な感じとは何だ?と疑問に思ったが、まぁ、ただの風邪で良かったと一安心する。

起きたら何か腹に入れさせようと、かなりの悪戦苦闘を繰り広げお粥を作った。

これで食べなかったら、只じゃおかねぇと、寝ている彼女に念を送る。

暫くして目覚めた彼女は、オレが居る事に酷く困惑していたが、思考が戻ったのかすぐに目を輝かせ喜びの表情を見せた。

どうやら声が出ないらしい彼女は、仕草と目だけでコンタクトをとってくる。

その様子が痛々しくも感じたが、同時に可愛らしいとも思った。

薬も飲ませ、寝ておけと彼女に伝え、そろそろ学校に戻らなくてはと腰を上げるが、オレの手を頼りなく握り、行かないでと訴えられる。

その行動に、思わず抱き締めたくなったがオレの最強の理性が止めてくれた。

また来ると告げた時の彼女の顔は、それはそれは可愛かった。



終業の時間と共に、オレはすぐに彼女の元へ急ぐ。

自分でも笑えるくらい彼女の事が心配だった。

途中、飲み物やらプリンやらを買い込み、静かに部屋に入るとすやすやと寝ている彼女を見て安心する。

まだ下がっていない熱に、冷たいタオルを宛ててやると、ゆっくりと目を開ける彼女。

起こして悪いと詫びをいれ、汗で湿っている服を着替えさせなければと、着替えの在りかを聞き出す。

下着も替えなければと、指されたタンスを開ければ、意外とセクシーな取り揃えについオレ好みを探してしまった。

着替えろと、部屋を後にして戻って来てみれば着替える事なく寝ている彼女。

何をやっているんだと、彼女を見れば着替えさせろと訴えられる。

勘弁してくれと思ったが、着替えさせなければ寒いだろうと、彼女をマネキンと思うことにし、ボタンに手をかけた。

キャミソールとショーツ姿の彼女に、常にこれはマネキンだと暗示をかけ体を拭いてやる。

布越しに少しだけ主張している胸の先端が、気になって仕様がなかったが、何とか堪えた。

全部脱がせと訴えてくるが、さすがに生は…きついだろう。

すると、自ら脱ぎ出す彼女を捉えたオレは、柄にもなく顔に熱が集まり目を逸らした。

オレの手をやんわりと掴んできた#name#に、今度はなんだ?と思った瞬間、

露になった生乳に、オレの手を触れさせる彼女。

吃驚しすぎて、何故か溜め息がでてしまった。

全く彼女は何がしたいんだい?
揉んで欲しいのか?

ならお望み通りにしてやると、オレの手に収まらないくらい豊満な#name#の胸を少し強めに揉んでやった。

と同時に、勢いよく離れる彼女。

ほらねぃ。大人をからかうんじゃねぇよい。
まったく、困った子だと溜め息とともに部屋を後にした。

こっちの身にもなって欲しい。オレは彼女の悪戯に更に深い溜め息を吐いた。

残りの粥とプリンを食べさせ、苦いと嫌がる彼女に無理矢理薬を飲ませ、眠りに就くまで隣で見守る。


薬の副作用か、暫くして深い眠りに就いた彼女に、

「後、二年。待っててくれよい」と、

囁く様に呟き、熱のせいで少し火照った唇に触れるだけのキスをした。

この日、オレは認めたのだ。

#name#の事が好きだと。

だがこの気持ちは、彼女が卒業を迎えるまでは決して伝える事はしないと、固く心に誓うのだった。






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