マルコ先生ver<img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

#17 彼の看病 vol



《また来るよい》

その言葉の居心地の良さに、私は安心して眠る事ができた。


暫く寝ていたのだろう、おでこに感じる冷たい感触に目が覚めた。

「悪ぃ、起こしたかい」

《いいえ》

まだ声が出ないのかと、少し憂鬱になる。

「汗が凄いねい、着替えるかい」

着替える…でも起き上がるのも億劫で、正直寝ていたい。

「着替えはどこだい?」

そう聞く彼に、指でクローゼットを指して伝える。

「あ、これかい。あー、下着は?」

《し、下着?》

ぅ、確かに下着も汗でベタベタだ。

またもや、指でタンスを指して下着の場所を伝えてみた。

彼が、どの下着をチョイスするのか少し気になる…

「#name#。結構厭らしい下着ばっかだねい」

恥ずかしがる事なく、手に取っては品定めしているマルコ先生に、驚愕である。

こ、これが、大人の余裕なのか…

それとも、ただの下着好きなのか…

「これでいいかねい」

ほら着替えろと、先程チョイスした下着と共に、服を押し付けられる。

《……》

あっち行ってるよいと、部屋を出ていったが、

だから、動くのも億劫だって言ったじゃな…言ってなかった。

もう、せめて声さえ出ればなと、起き上がろうとするが、やはり無理だった。

もうこのままでいいやと、また寝ようと目を瞑った瞬間、

「着替えたかい?」

その言葉と共に、部屋に入ってくるマルコ先生。

「着替えてねぇじゃねぇかい…」

何やってんだいと、呆れ顔の彼に、目で訴える。

《着替えさせてくださいよ》

「………」

伝わったのかどうなのか、彼は無言で部屋を出ていってしまった。

《ぇ…》

残された私は、きっと捨てられた仔犬の様な顔だっただろう…

堪らなくなり、無理矢理起き上がろうとした刹那、
思いの外、腕に力が入らなかった私はベッドから落ちてしまった。

《痛…い》

「なんだい!?」

どうしたと、慌てて駆け付けてきてくれた彼の手には、

《蒸しタオル…》

「落ちたのかい?」

大人しく寝とけと、ベッドに抱えられ、

「ほら、着替えさせてやるよい」

ついでに体も拭いてやると、何の戸惑いもなくパジャマのボタンを外していく。

別にマルコ先生になら、裸を見られても構わないが…少しは照れたりして欲しいものだ。

キャミソールと、ショーツ姿になった私は、全部脱がせと、仕草と目で訴えてやった。

「#name#…いや…」

ん?これは照れてるのかな…?なんだ。ちゃんと女として見てくれてるんだと一安心した所で、

中々脱がしに来ない彼に、私は自らキャミソールを脱いだ。

もちろんブラなんて着けていない。そう。丸見えだ。

「お、おい」

ばっとソッポを向く彼の手をやんわりと握り、自分の胸へ押し付けてみた。

だって、ほんのり頬が染まっているマルコ先生なんて貴重すぎる。

どうせなら、茹でタコにまで変身させてみたい。

「……」

そんな彼は無言で私を見つめ、少し力を入れて胸を揉みだした。

《!?》

その行為に、ビクリと体が跳ねて、反射的に彼と距離を取ってしまった。

「ククッ。ませた事すんじゃねぇよい」

オレを煽ろうなんて、十年早いと、茹でタコはどこへやら、さっさと体を拭いて服を着せにかかる彼。

しょんぼりしている私に、よしよしと頭を撫で、何か腹に入れないとなと、脱いだ服を片手に部屋を出ていくマルコ先生。

扉が閉まると同時に、大きな溜め息がでる。

まるきし子供扱いだ。
看病してくれる彼には凄く感謝しているが…

決定的な子供扱いをされた私は、暫く立ち直れそうにない。

それから、彼の看病のお陰ですっかり元気になった私は、やっと出るようになった声で彼にお礼を言った。

「マルコ先生。有難うございました」

「あぁ、気にすんなよい」

彼は優しく笑っているが、私の心は複雑だ…










「私の胸の感触、どうでした?」

「お、覚えてねぇよい」

「チッ…」

「あ゙?今舌打ちしたろい?」

「してないですょ」

「そんな事より…これはなんだよい!?」

「わっ!私のコレクション!」

「ったく、いつ撮ったんだい。没収だねい」

「嫌!!それだけは…」




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