マルコ先生ver
| ナノ
#17 彼の看病 vol![](//img.mobilerz.net/img/i/63880.gif)
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《また来るよい》
その言葉の居心地の良さに、私は安心して眠る事ができた。
暫く寝ていたのだろう、おでこに感じる冷たい感触に目が覚めた。
「悪ぃ、起こしたかい」
《いいえ》
まだ声が出ないのかと、少し憂鬱になる。
「汗が凄いねい、着替えるかい」
着替える…でも起き上がるのも億劫で、正直寝ていたい。
「着替えはどこだい?」
そう聞く彼に、指でクローゼットを指して伝える。
「あ、これかい。あー、下着は?」
《し、下着?》
ぅ、確かに下着も汗でベタベタだ。
またもや、指でタンスを指して下着の場所を伝えてみた。
彼が、どの下着をチョイスするのか少し気になる…
「#name#。結構厭らしい下着ばっかだねい」
恥ずかしがる事なく、手に取っては品定めしているマルコ先生に、驚愕である。
こ、これが、大人の余裕なのか…
それとも、ただの下着好きなのか…
「これでいいかねい」
ほら着替えろと、先程チョイスした下着と共に、服を押し付けられる。
《……》
あっち行ってるよいと、部屋を出ていったが、
だから、動くのも億劫だって言ったじゃな…言ってなかった。
もう、せめて声さえ出ればなと、起き上がろうとするが、やはり無理だった。
もうこのままでいいやと、また寝ようと目を瞑った瞬間、
「着替えたかい?」
その言葉と共に、部屋に入ってくるマルコ先生。
「着替えてねぇじゃねぇかい…」
何やってんだいと、呆れ顔の彼に、目で訴える。
《着替えさせてくださいよ》
「………」
伝わったのかどうなのか、彼は無言で部屋を出ていってしまった。
《ぇ…》
残された私は、きっと捨てられた仔犬の様な顔だっただろう…
堪らなくなり、無理矢理起き上がろうとした刹那、
思いの外、腕に力が入らなかった私はベッドから落ちてしまった。
《痛…い》
「なんだい!?」
どうしたと、慌てて駆け付けてきてくれた彼の手には、
《蒸しタオル…》
「落ちたのかい?」
大人しく寝とけと、ベッドに抱えられ、
「ほら、着替えさせてやるよい」
ついでに体も拭いてやると、何の戸惑いもなくパジャマのボタンを外していく。
別にマルコ先生になら、裸を見られても構わないが…少しは照れたりして欲しいものだ。
キャミソールと、ショーツ姿になった私は、全部脱がせと、仕草と目で訴えてやった。
「#name#…いや…」
ん?これは照れてるのかな…?なんだ。ちゃんと女として見てくれてるんだと一安心した所で、
中々脱がしに来ない彼に、私は自らキャミソールを脱いだ。
もちろんブラなんて着けていない。そう。丸見えだ。
「お、おい」
ばっとソッポを向く彼の手をやんわりと握り、自分の胸へ押し付けてみた。
だって、ほんのり頬が染まっているマルコ先生なんて貴重すぎる。
どうせなら、茹でタコにまで変身させてみたい。
「……」
そんな彼は無言で私を見つめ、少し力を入れて胸を揉みだした。
《!?》
その行為に、ビクリと体が跳ねて、反射的に彼と距離を取ってしまった。
「ククッ。ませた事すんじゃねぇよい」
オレを煽ろうなんて、十年早いと、茹でタコはどこへやら、さっさと体を拭いて服を着せにかかる彼。
しょんぼりしている私に、よしよしと頭を撫で、何か腹に入れないとなと、脱いだ服を片手に部屋を出ていくマルコ先生。
扉が閉まると同時に、大きな溜め息がでる。
まるきし子供扱いだ。
看病してくれる彼には凄く感謝しているが…
決定的な子供扱いをされた私は、暫く立ち直れそうにない。
それから、彼の看病のお陰ですっかり元気になった私は、やっと出るようになった声で彼にお礼を言った。
「マルコ先生。有難うございました」
「あぁ、気にすんなよい」
彼は優しく笑っているが、私の心は複雑だ…
「私の胸の感触、どうでした?」
「お、覚えてねぇよい」
「チッ…」
「あ゙?今舌打ちしたろい?」
「してないですょ」
「そんな事より…これはなんだよい!?」
「わっ!私のコレクション!」
「ったく、いつ撮ったんだい。没収だねい」
「嫌!!それだけは…」