マルコ先生ver
| ナノ
#14 理不尽な彼
![](//static.nanos.jp/upload/j/jyuira/mtr/0/0/20110915235847.gif)
結局、変態オーライから写真を貰えなかった私は自力で写真を撮ることにした。
私には、頼りになる人物の目星があるのだ…
「ウーソップ様。ちょといいかな?」
「ん?どうした#name#」
珍しいなと、少し警戒されるが彼に頼めば百人力だ。
「一生のお願い!」
「お、おう。」
そうして、後日出来た代物。それは…超小型ハイテクカメラだ!
「やった…これで、授業中だろうと、何だろうと…」
隠し撮りができる!!
その日から、ビシバシと撮り続け、今ではファイル二冊程貯まったマルコ先生コレクション。
それを夜な夜な眺めるのが私の日課になりつつある。
もちろん、放課後の習慣も忘れてはいない。
むしろ外せない。
「ダーリンっ待った?」
「…ダーリンじゃねぇし、待ってないよい」
あの日以来、またキスをしてくれなくなった彼。
しかし、あの日から彼の呼び名をダーリンに変えた私。
理由は…なんとなくだ。
それにしても、減るもんじゃないって言った癖に…嘘つきはいけない。
でも、あれ自体私からすれば奇跡のようなものなので、十分満足している。
「珈琲淹れますねっ」
「あぁ」
「ダーリンっ!お待たせしました」
「#name#…いい加減その呼び方やめろい」
返事しないよいと、言い出す始末。
それは…嫌だな。
「じ、じゃぁ…マルたん」
「……却下だ」
その後も色々な呼び名を試したが、どれも却下だった。
「もう!どれでもいいじゃないですか!」
減・る・も・ん・じ・ゃ・な・い・し!と、当て付けの様に口にすれば、
「…なんだい?まだ根にもってんのかい?」と、
キスをしてくれなくなってから、毎日その言葉を愚痴っていた事を振り返す彼。
「だって…」
先程までの強気な心が嘘の様に無くなった私は、急に切なくなり言葉に詰まった。
何か、私に不具合でもあったのではないかと不安になってしまう。
た、例えば…キスが下手だとか、口が臭いとか…
後者だけは絶対に避けたい
「こんなおっさんとしても、何も楽しくもないだろ」
若いやつとやれだの、彼氏作ってそいつとしろだの、御託を並べるマルコ先生。
「マルコ先生以外とする気はありません!」
またもや強気な私の登場だ。
先程の話だが、前者はさておき、絶対に後者ではない筈。
ナミにも確認してもらった程だ。
それならば、まだ望みがあると、今日は少し食らい付いてみようと考えた。
隙を見て彼の膝の上に座る事ができた私は、首に腕を回し、おねだりしてみる。
「お願い…マルコ先生…」
キスしてくださいと、精一杯の色気を出してみた。
(多分…出ていたと思う)
それでも中々してくれない彼に、自ら唇を近付けてみると全く動じない彼。
自棄になった私は、そのまま唇を重ねてやった。
以前、彼がしてくれた様に、何度も角度を変え下唇を甘噛みしたりと熱いキスを送っていると、少し肩を押され唇が離れた
「ったく、まだまだお子様だねぃ」
そんな言葉と共に頭と腰に腕が回され、唇を割って彼の舌が入ってきたのだ。
「んっ…」
初めての感覚に少しうろたえたが、彼の舌の気持ちよさと彼の味がとても心地好く、答える様に私も舌を絡ませた。
暫くすると、ペロリと唇を一舐めされ離れていく彼。
まだ離れたくなくて、彼のシャツをキュッと掴む。
「#name#…犯されたいのかい?」
お、犯されたい?
彼は何を言っているのだろう…犯され…あぁ!
「抱いてくれるんですか!?」
私は、初体験は絶対にマルコ先生に捧げると決めている。
抱いてくれると言うこのチャンス!逃してなるものかとその言葉に食い付いた。
「は?いや…じ、冗談だよい」
「ダメですよ!男に二言はダメです」
彼がうろたえている間に、シャツのボタンを外しに掛かる私。
それに気付き、またボタンを付けようとする彼。
「#name#!いい加減にしろよいっ」
「嫌です!さっき抱いてくれるって言いました!」
途中から焦るマルコ先生が面白くなって、からかいだした私に、
「#name#。」
急にドスの効いた声色で、本気で止めろと凄い目力で睨んでくる彼。
「す、すみませんでした」
思わず謝る。
背筋が凍ったかと思った程だ。
そんなに怒らなくてもいいのにと、彼の膝から降りた私は再度謝る。
「ごめんなさい…」
「ったく、もうすんなよい」
「ぅ…狡い大人がいる」
「何か言ったかい?」
「いいえ。空耳ですよ」
なんて理不尽。あんな濃厚なキスをしてくれたくせにと、妬ましい眼差しを彼に送った。
だが…何も言うまい。
今の彼は最高に機嫌が悪い。
しかし納得のいかない私は、
「もう、マルコ先生のバカ!」
思わず出てしまった胸の内を捨て台詞に、部屋を後にしたのだ。
「はぁ…。だからガキだってんだよい…」