マルコ先生ver
| ナノ
#13 結果オーライ
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「え・・・・うそ」
マルコ先生にキスしてもらえた・・
キス・・・
「目、開けとけばよかったー!!」
あれから興奮してしまった私は、なかなか寝付けず、結局眠りについたのは短い針が随分真上を過ぎた頃だった。
翌朝学校に行っても、私の頭はふわふわとしていて、授業なんて何も頭に入らないくらいマルコ先生の事で頭がいっぱいだ。
「おい。」
「おい・・・」
「きゃぁーーーー!!」
なな何!?惚けている隙に、不覚にも変態に胸を揉まれてしまった。
「殺す!!」
「フン、ボケッとしてんじゃねぇよ」
どうせ、あの数学教師の事でも考えてたんだろ。いいかげん諦めろ。と、
ほんとに殺してやりたいくらいムカツク奴だ。
「だからって、胸触るな!」
またもやこの変態に私の初めてを奪われてしまった。
あーマルコ先生。ごめんなさい。以後気を付けます。
「何か用?」
用がないならあっちに行ってください。と変態を遠避けようとするが、
目の前に晒された物に、私は釘付けにされてしまったのだ。
「こ、こ、こここれは・・・」
ちょうだ−い!!私は咄嗟に食い付いた。
なんとそれは、マルコ先生の隠し撮り写真。
しかも、授業中から出勤風景、欠伸なんかをしているショットもある。
「オレがただでやる訳ないだろう」
「くっ、条件は?」
「そうだな・・・」
は?馬鹿おっしゃい。それは無理。絶対無理。
「聞えなかったのか?キスしろ」
「無理。無理無理・・・」
「そうか・・・じゃぁこれはいらないな」
「あーーー!!」
この変態馬鹿!
少し破ったな・・・
「ほ、他の条件でお願いします」
「・・・フッ。じゃぁもう一度胸揉ませろ」
「なっ・・・」
うぅ・・・まぁ、どうせさっき揉まれたしな、キスよりは全然マシ・・・それに何がなんでも欲しい代物だ。
「一瞬だけなら・・・」
「あぁ」
それから使っていない教室に移動し、
「一瞬だけだよ!!」
もう一度念を押して身構えた。
「はーい!ストップ!!」
何故脱がす?
「誰が、服の上からって言った」
「ぇ・・・それは・・・ダメ」
「却下だ」
「わっ!?」
何とも手慣れた素早い動きで両手を固定され、ニヤニヤしながらブラウスのボタンを外していく変態。
いやいやいや・・・幾らなんでも代償がでか過ぎでしょ。
「嫌!!やっぱいらない!!やめて!!」
既に下着がこんにちわしている状態で、変態の手が下着の中に入ってこようとした瞬間、
「何やってんだよい・・・」
「ぇ・・・」
「ちっ・・」
何もこんな所に現れなくても・・・マルコ先生。
「フン、お預けだな」
そう言い捨てて教室を出て行った変態。
そして、残された下着丸見えの私。
と、無表情のマルコ先生。
「うぅ・・・ひっく」
思わず涙が出てきた。
幾ら写真が欲しいからって、自分の貞操を差し出した馬鹿さ加減と、そんな場面を一番見られたくない人物に見られてしまった事。
もう・・・立ち直れない・・・
「#name#大丈夫かい?」
「・・・?」
あぁ、そうか、彼は無理やり私が犯されそうになっていたとでも思っているのか。
ここは、一芝居うつに限る。
「マルコ先生ーーー!!」
「うぉ・・・ぉい」
取り敢えず、服を着ろと促す彼。
私は、ぴったりと彼に抱きつき、先生が着させてくださいと頼んでみる。
「はぁ・・・お前は」
などと溜め息混じりに言いながらも、私の肩を少し押し、外れたボタンを留めていくマルコ先生。
何だか、保護者的な扱いの様にも見えるが、ここは素直に留めてもらおう。
「ほれ、大丈夫かよい」
「大丈夫じゃない・・です」
それから、授業を一限さぼり、マルコ先生の胸の中で落ち込む振りをする私。
変態くん・・・結果オーライだ。
そんな中、私はふと、昨日のキスを思い出し彼に尋ねてみた。
「別に減るもんでもないしねい」
などと言ってきた彼。
なんだかショックな言葉なのだが、減るもんじゃないのならもう一度して欲しい。
「じゃぁもう一度してください」
「調子に乗んなよい」
そっけない態度をとっているが、私から口を近づければ、仕方がないとでも言う様に答えてくれるマルコ先生。
昨日のキスとは違って、啄む様に何度も角度を変え、唇を挟んだり舐めたりと、何だか大人のキスをしてくれる彼。
「んっ・・・先生」
「はい。おしまいだよい」
思考がだんだんと定まらなくなってきた処で、突然頭を撫でながら離れていくマルコ先生。
もうっ良い所だったのにと、離れがたい態度をとるが、
ここまでだ。と威圧的な態度で言われしぶしぶ離れる。
でも、すごい進歩だ。
幾ら、マルコ先生にとってキスが大した事のないものでも、私にとっては嬉しい事この上ない。
でも、何でいきなりしてくれる様になったのだろう。
この前までは頑なに拒否されていたのに。
まぁ、いいか。私には好都合と、授業が終わるチャイムが鳴った所で彼にお礼と大好きと伝え、すこぶるご機嫌な私は教室へと帰ったのだった。
「・・・・やべぇよい」
そんな彼の言葉が、何を意味するのか…
私が知るのはまだまだ先のお話である。