碧に溺れて 第1章 | ナノ
#05 彼の告白
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キスをした
いや、されたに修正させてもらおう。
私のファーストキスだ。
女の子にとっては、かなり大切なものなのではないのか…
かく言う私も、ファーストキスにはそれなりに思い入れがあったのだ。
それを、いきなり友達と思っている男に奪われてしまった。意図も簡単に。
「なっ、何すんのょっ!」
少し大きめな声を上げて、腕をめいいっぱい伸ばし彼との距離をとる。
間違いなく真っ赤であろう顔で、これでもかと言う程睨んでやると、
「フフッ…そんな可愛い顔で睨んでも怖くねぇょ」
などと、余裕たっぷりな口調で言ってくる彼。
あれ?人生最大の極悪顔を決めだはずなんだけどな。だが、ここで引くわけにはいかない。
「何でいきなりキ、キキスなんかすんわけ?!」
動揺が隠せず言葉が上手く出てこない
「フフッ。好きな女がオレの服きて隣に座ってりゃ…理性を保てる方がおかしい」
「っ…??」
またもや爆弾発言をする彼に私の頭は爆発寸前だ。
手で顔を覆いながら、パンクしそうな頭で整理も理解もできないでいると、
「おぃ、人が人生初の告白をしてんのに… #name#…、こっち見ろよ」
少し不機嫌な声色とともに身体ごと彼の方へ向かされ、もう一度
「おまえの事が好きだ」
初めて見た真剣な眼差しで告白されたのだ。
その日から異常に意識してしまった私が、彼の事を好きになるのは時間の問題で…
確かに、今までローを見てきたが、彼女などは作らず適当にあしらい付き合いみたいな感じで、世間話などするのは私くらい…な筈。
ナミやロビンとも話すのだが一言二言だ。
女関係ではあまり良い噂は聞かないが、モテル男は悪い噂は付き物だ。
信じてもいいかなと、現にあたしも好きになってる事だし…と、ローと付き合いだしたのが1年の夏の始まりだった。