碧に溺れて 第1章 | ナノ
#02 隣の彼
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入学式も無事終わり、教室へと移動して行く中、
少し前の方から聞こえる大きめな声に視線を送ると、中学からの友人ルフィが先程の首席くんになにやら絡んでいる。
「お前、やる気全くねぇだろ?おもしれぇな〜。お、その隈本物か?!寝てねぇのか??首席ってすげぇのか?!」
初対面であろう人に対してズカズカと質問攻めをしている彼。。
さすがルフィ。その人見知りを知らない無邪気な性格。少し羨ましい。そしてなによりその無鉄砲で怖いもの知らずな性格。不安だ。
そんな不安を他所に、質問攻めにあっている主席くんと言えば、少し迷惑そうにしながらもルフィの持つ独特の雰囲気に満更でもなさそうに言葉を交わしていた。
その時、ホント一瞬だけ笑った彼の横顔に胸の奥が少しだけざわついたのはーーーきっと気のせいだと思う。
教室に着き割り当てられた席に着く。
この学校の机は2人一組で長机を使うと言う仕組みだ。
これから迎える高校生活の門出となるお隣さんはどんな人だろうと、視線を移した刹那、私はビクリと体が跳ねた。何故ならそこには強面主席くんが座っていたからだ。
まさかのお隣さんに若干顔が引き攣りながらも、挨拶はしておこうと勇気を出し声を掛けてみる事にした。
「#name#です。よろしくね」
少しの笑顔と共に主席くんに話し掛けるが、何とも興味無さげな表情と、鬱陶しそうな態度を隠すことなく彼は、
「あぁ」
と、一言だけを放ちそっぽを向いてしまった。
なんて態度だ。まさに見たまんまじゃないか。そんな愛想の欠片もない彼に、あまり関わらないでおこうと心に決めた彼と私のファーストコンタクトだった。