碧に溺れて 第1章 | ナノ
#11 彼の浮気
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ローと付き合いだして2ヶ月が経った
夏休みは皆で海に行き、キャンプに行きと、楽しく過ごし、ローともたくさん思い出を作っていった
相変わらす進展もないまま、未だに健全なお付き合いをしている私達。
私的には、好きな人ともっと触れたい繋がりたいと、
経験はまだないのだが…
ローになら捧げてもいいと思っている。
しかし、自分から仕掛けるのも柄ではないので、ロー任せでいるのだが
そんな少し肌寒くなってきた中庭で、お昼ご飯を食べていると、ナミが思い付いたかの様に声をかけてきた
「ねぇ、トラファルガーとはもうしちゃったの?」
テクニシャンって噂ほんとだった?
などと、興味深々な顔つきで聞いてきたのである
あたしは飲んでいたお茶に少しむせながら
「ま、まだしてないよ」
とナミから目を逸らしながら答えたが
「うそでしょ!?あんた逹部屋で何して過ごしてんのよ」
よくトラファルガーん家行ってるわよね?
心底ビックリしたご様子だ。
別に身体の関係が無くても、心が通いあっていればいいではないか
などと思いつつも、初日との随分な変わり様のローに、少しだけ…不安な気持ちなのは敢えて隠しておこう
「うーん、トラファルガー見てれば分かるけど、あんた逹ラブラブよね」
まさか、イン○に!?などと良からぬ方向へ走っているナミをジト目で見ていると
「フフ、大事にされてるのね」
と助け船を出してきた我らがお姉様的存在ロビン
「えー、でもあのトラファルガーよ?」
ロビンの言葉を完全否定してきたナミだが
「ま、まぁ、2人の問題よね」
未だジト目の私に気付き、この話題を終わらせにきた
「何か進展あったら話すよ」
残りの昼食を平らげながら、もう時期終わるだろう昼休みに、そろそろ戻ろうか?と声をかけたのだった
「あ、私、次の授業で使う資料、先生に頼まれてたんだ」
そう彼女達に告げ、あまり人気のない科学準備室へと足を向けたのが…
いけなかったのか、そういう運命だったのか…
階段を上ろうと足をかけた瞬間…
踊り場の、私からはちょうど死角になっている所で声がした
「ねぇ、久しぶりに抱いてよ?」
「彼女がいても構わないのよ?あなたの…ローに抱かれたのが忘れられないの…」
「ね?お願い」
ローの名前を聞いた瞬間、私は片足を階段にかけたまま動けなくなった
そして…次の言葉に、私の足は階段を一歩一歩と上がりだしたのだ
「…あぁ」
声の主を捉えた瞬間、私は声を失った
そこには知らない女の人とキスをしている愛しの彼…
ローの姿があったからだ