碧に溺れて 第1章 | ナノ


#10 彼との再会




足の怪我から3日目
だいぶ痛みも引き、松葉杖も使いこなせるようになって1人、廊下を歩いていた


そして、廊下を曲がったところで、

「あ、#name#ちゃん!」

と、陽気に自分の名を呼ぶ声に振り向いた


「あ、えっとサッチ先輩?と、マルコ先輩」

あの日以来の再会だ

だがローに、あいつらには関わるな。と言われいる

何でも危ない連中だとかナントカ…

ローも初対面の時は、十分危ない人に見えたんだけど…

そんな事を考えながら、しかしここで無視をするのもおかしな話と、それに助けてもらった恩もある

「怪我の具合はどうだい?」


「お久しぶりです。お陰さまで順調に回復してますよ。あの時はほんとにありがとう御座いました」

当たり障りのない挨拶で立ち去ろうとした瞬間


二の腕を捕まれた

「急いでんのかい?」

何故か悪戯な笑みを浮かべているマルコ先輩に

「いえ、とくに…」

もっと上手い言葉を言えないのかと、自分に失望する

「じゃぁ、少し話そうかい」

その言葉と同時に、強引にマルコ先輩の方へ引き寄せられる

「わわぁ!」


急な接触に思わず声をあげてしまう
もちろん顔も若干赤い


「お、顔が赤いよい」

可愛いねい、などと言いながら頭を撫でられる

「い、いきなり引っ張るから吃驚したんですよ」

と抗議してみるも、それは悪かったねぃと、優しい眼差しで頭を撫でられ続けた

全然危ない人には見えないけどなぁと、思っていると

「彼氏とは順調かい?」

と聞いてくるマルコ先輩

「はい。順調ですよ」

そう答えると、ほんの一瞬マルコ先輩の目が細められた気がした

「そうかい。それはよかったねい」

またさっきの優しい眼差しに戻った先輩に

「何かあったら、いつでも言ってこい」

と、小さな紙切れを握らされた


そしてもう一度頭を撫でられ去っていったのだ。

去り際に、サッチ先輩がマルコ先輩に何か言っていたが、マルコ先輩の回し蹴りをくらって断末魔の雄叫びをあげていた…




二人が去った後、さっきの紙切れを見てみると

それはマルコ先輩のアドレスだった


こ、これは…
ローに見つかったら怒られそう…

などと思いつつも、捨てる気にもなれず、ポケットにしまったのだった



あ、でも…マルコ先輩に頭撫でられるの、何か落ち着くなあ…と思った事は、ローには口が避けても言えない。














「あぁ、痛ぇ…
しっかし、ようやくマルコにも春が来たかぁ…でもまぁ、まだ雪解けはしてねぇみたいだがなぁ」


「…直ぐに解けるよい」

「へぇ…」



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