碧に溺れて 第1章 | ナノ
#09 始まりの予感
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マルコside
彼氏付きかい…
何故か若干イライラしながら教室へと足を進める
「なーんだよ、マルコ。顔が怖ぇよ」
相変わらずヘラヘラ笑い、自慢のリーゼントを整えながらサッチが絡んできた
「しかし、マルコが面倒看るなんて言うからよぉ、オレびびったぜっ」
だって面倒くさがり屋の、女なんて虫けらの如く扱うお前がだぜ?
と、いつもと違った行動をしたオレにすかさず突っ込んできた。
「うるせぇよい!気紛れだい」
無難な言葉を吐き、サッチを黙らせる。
自分だって驚いているのだ。他人に説明なんて出来る筈もない。
何故か…あの#name#と言う女が降ってきた時から、運命的なものを感じてしまったオレは、何か繋がりが欲しいと、ここで別れたくないと、第六感が告げていたのだ。
(だが、彼氏持ちとはねぇ)
まあ、彼氏が居ようが、奪う自信はあるのだが、
今現に、彼女が他の男に惚れていて、またその男に彼女が好き勝手されていると思うと…眉間に深い皴を刻ませた。
生憎、女なんて皆腹黒くいけ好かない生き物だと思っていたのだが、彼女にはそんなもん微塵も感じる事なく、目があった瞬間からオレは恋に落ちてしまっていた。
(さぁて、どうするかねぃ)
必ず手に入れてやると、そう誓ったオレは頭をフル稼働させ今後の策を練るのであった。
そんな傍らでは、
隣で百面相を繰り広げる相棒に若干ひきながらも、
何だか楽しくなりそうな予感だなと。
未だに納得のいかない自慢のリーゼントを直しながら思うサッチの姿があった。