碧に溺れて 第1章 | ナノ
#08 彼女とあいつ
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ローside
教室でうたた寝をしていた処に、何やらバタバタと足跡が近づいてきた
そしてオレの前で止まると
「#name#が3年の奴にお姫様抱っこされて保健室に運ばれてたぜ!!」
と、眠気を一気に飛ばす発言をするガキの頃からの腐れ縁…ペンギンだ
「あ?お姫様抱っこだ?」
オレさえした事ない行為を、他のヤローが#name#にしていたなどど聞き捨てならない台詞に、眉間に皴をよせペンギンを睨む
「あぁ、保健室に行ったらしいから…どっか怪我でもしたんじゃないか?」
と、オレを睨むなよと付け加え、保健室いくだろ?とオレを促す
「あぁ」
面倒くさそうに返事をしながら(内心かなり焦っていたが)保健室へと足を進めた。
ホントの処、オレはかなり#name#に惚れている。
今まで出会った事のない、何かオレの心の深いとこをギュッと掴まれる様な感覚だ。
自分から告白したのも初めてだし、部屋にあげたのも女で初めてだ。
そして、初日にキスはしたものの、それから先は壊れちまうんじゃないかと思って手をだせねぇ。
本気で惚れた女だからか?
セックスなんてただ欲を吐き出すだけと思っていた前の自分を笑ってやりたい。
まぁ、今はそんな事より保健室だ。
どこの馬の骨が、オレの女をお姫様抱っこなんてしやがった。
「#name#大丈夫か?!」
扉を開ければそこには愛しの彼女。
そして、その横には……この学校で知らない奴はいねぇだろう…
大企業、白ひげ財閥の長男マルコの姿があった。
「オレの女が迷惑かけたな」
できるだけ冷静を装い、かつ下手なことはしないよう言葉を放った(何故かオレの女は強調させてもらったが)
「ん?#name#彼氏がいたのかよい?」
オレを完全にスルーし、マルコは#name#に話しかける。
「あ、はい。彼氏のトラファルガー・ロー君です」
ニコニコとオレの紹介をしだす#name#。
やめてくれ…
出来る事なら関わりたくねぇ。
そんなオレの心中は知るはずもなく
「へぇ…、羨ましいねぇ、可愛い彼女で」
鋭い眼差しを向けられた。
「そりゃどうも」
当たり障りなく言葉を繋ぎ#name#へと向き直る。
「足を痛めたのか?」
「うん。1週間くらいで治るって」
そんな彼女に手を差し伸べ、行くぞと声を掛ける
「オレの出番ななしだねぃ」
俺達を見据えながら、態とらしく肩を竦め去っていっく奴は、すれ違い様にジロリと睨みをきかせていった。
「ロー?心配かけてごめんね」
これまた可愛い顔で謝られたら怒る気もうせる。
「あぁ、あんま心配かけんじゃねぇょ」
この時、#name#とあいつの出会いがこんな事態になろうとは…
今のオレには想像もできなかった