碧に溺れて 第1章 | ナノ


#07 心配ご無用




「痛い!!」

「何で言わねぇんだよい!バカかお前は」

思わず叫んだ言葉に、先程サッチさんに向けていた様な鬼の形相で怒鳴られる。

「いや、…だって…助けてもらった上に迷惑かけたくなくて…」

私は蚊の鳴くような声で呟いた。

すると無言で手を伸ばしてきたマルコさんは、私を軽々とと抱き上げ、

「保健室行くよい」

そう告げる彼に、お姫様抱っこなどと生まれて初めての経験に真っ赤な顔で抗議する。

「じ…自分で歩きますよっ」

「ダメだ。日が暮れちまうよぃ」

速攻却下された私は、抗議の意味なく保健室に連行されたのだった。




保健室に着き、チョッパー先生に処置をしてもらいながら可愛いなぁ、チョッパー先生と1人耽けっていると、マルコさんが溜息混じりに口を開いた。


「はぁ…。で? 1年かい?名前は?」

「あ、はい。1年の#name#です」

ほんとご迷惑かけてすみません。
再度お礼を言えば、


「気にすんなよい。オレはマルコだ。」


「そんでもって、オレがリーゼントが素敵なサッチ様だ!ゲフッ……」


「黙れよい。…で、チョッパー。怪我はどうなんだい?」

「そうだな、1週間くらい固定して、無理な運動しなければ大丈夫だ」

可愛い笑顔付きで言い放ったチョッパー先生に、
ありがとう御座いましたと、お礼を言いながら裏拳をくらったサッチさんを痛そうだなと横目で見る。


マルコさんはと言うと、何故か難しい表情をしており、そして、思いもよらぬ言葉を言い放った。


「じゃぁ、治るまでオレが面倒みるよい」


まあ、オレの受けとめ方も悪かったしねいと、ブツブツ言いながら、

「今日はもう帰ろうかい?」

私の意見など聞く耳持たずに、既に決定事項の様に言ってきたのだ。


「あ、あの、面倒なんて看てくれなくて大丈夫ですよ!私、ホントに大丈夫ですから」


声を大にして丁寧にお断りしているにも関わらず、マルコさんは、

「遠慮すんなよい」

大いに勘違いしているご様子だ。


ダメだ…この人。
全く話聞いてない。否、ほんと大丈夫だし、何よりローに疑われるかもしれない。
さっきのお姫様抱っこですら危ういのに、面倒なんて看てもらっては冗談では済まなそうだ。


ウンウンと、何か彼を説得できる良い言葉はないかと考えていると、


「#name#大丈夫か!?」

ここで救世主登場だ。







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