▼ ともさんより2

 

 スッキリ爽やかなライオンさんが元の世界へ帰って行って翌日から、俺の腹が何だかオカシイ。

 はじめは昨日の疲れだと思って気にも留めなかったのだが…どうにも、それから腹部に違和感を覚えるようになっていったのだ。

 まさか―――と、そんな奇想天外な思考に取り憑かれたのは、寝苦しくてうなされていた時にアノ時のライオン星人の呟きが脳裏を掠めたからだ。


 孕まねぇかなー…孕まねぇかなー…いや、意外とイケるかも……



「――まさか、いや、そんな。まさか…。」



 3日目。
 身体が――主に下半身的な腹が…重い気がする。

 いやいや、よく考えたら、妊娠って確か十月十日とか言わなかったっけ?3日ってアナタそんな早くにどうこうとか無いわ〜!はははは!


 ――――とか考えても、相手は異星人。地球外生命体なのだ。



「―――いやいや、まさか……うん。でも……。」




 そんな恐ろしい想像をしつつ、呼び出しに応じてこのミーティング室の隅っこで、悶々と座り込んでいる俺。
 お世辞にも良いとは言えない頭の中は……ライオンと俺の子供とかええ?どうなるの?!とか、というか何処から産むの?まさかの尻の穴ですか?うんk的な出産ですか!?とか、でも、この事実が組織(?)に知れたら、俺と子供は引き離されるんじゃないだろうか!まさかの人体実験!?等々、もうパンク寸前です。



 少し離れた中央では、相も変わらず残りの4人が雑談している。



 考えて、考えて―――とうとう俺は決心した。

「決めた!!俺は産む!!」
「「「「……レッド?悪い物食べた?」」」」



 善は急げで、隊員の身体その他健康の管理等を任されている博士の所へ俺は急いだ。
 お腹の子に障ってはイケナイと、当然早歩きだ!

 これまでの経過を博士に説明し―――身体を調べて貰った俺は今、深刻な顔の博士の前に座っている。博士は、「落ち着いて聞いてくれ。」と前置きしてから俺を見た。
 ゴクリ、と思わず息を飲む。

 博士の髭の生えた口が、躊躇いがちに、開いた。




「――――――便秘だ。」



 おしまい。


「空からメロンパン」のともさんから頂きました、素敵すぎる誕生日プレゼントです^q^
ウケルンジャーが好きすぎて…ともさん、ありがとうございました!!




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