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伊月×早川

ほら、だらしないぞ!
ネクタイがゆるんだのを見て、同い年の男に思わず世話を焼いてしまった。


「あいがとう伊月!」
「どういたしまして早川」
「おえ毎日結んでうまくなんないのに、伊月はすごいな」
「退屈しのぎにネクタイを結んだりね」
「へえ!」


あれ、もしかしてスルーされたかな。いや、ちょっとわかりづらかった?
住んでる県は違うけど、早川とはなんだかんだ小学校の頃からの付き合いで、ミニバスの関東大会ではよく顔を合わせた。話す機会はなかなかないけど、高校生になっても付き合いが続けられて嬉しい。


「早川は相変わらずラ行が言えないんだね」
「おう!!」
「胸張ってどうするの」
「お、おう…」
「しょんぼりしてどうするの」


くすくす笑えば頬をふくらませてむくれる。年不相応で子供っぽい。でも子供っぽいなりに素直だし、早川の長所だ。
10cmも相手のが高いけど、手を伸ばしてぽんぽん頭をなでれば「子供扱いすうな!」と怒られた。


「でもラ行言えないままだと困るよな」
「え?!」
「ほら、就職の面接の時自分の名前言えなかったらショックじゃないか」
「…本当だ!!どうしよう伊月!」


またも流された、だと…?いや、うん、今度のはちょっと難しかったかな、職とショックでかけたつもりだったんだけど。うーん、なかなかに強敵だぞ、早川。


「あ!伊月!」
「どうしたの早川」
「おえ!伊月俊ってちゃんと言えうぞ!」
「あ、ああ本当だ」
「俊!伊月俊!しゅーん!」
「何の解決にもなってないけどな」
「あ゛」


NA・NI・KO・RE
でもゲームで早川が口説いてたの伊月なんだよ!!!!!!
130317




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