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青峰×緑間

※中学生




あ、と思ったときにはもう遅く、右手の先がじんじんとした痛みを全身に発信した。一瞬時間が止まった気がして、すぐに再生。ぱたぱた床に血が落ちて、テツだとか黄瀬だとかが群がってきた。ああ、痛えなあ。


「なんでお前だよ」
「こちらの台詞なのだよ」


ボールを捕り損ねて爪で弾いた。おかげで右手の爪が半分剥がれた。痛えし、血ぃ止まんねえし。いつもの顔を崩さないままの赤司に部室で緑間の手当を受けるように言われた。なんでさつきじゃねーの?って思ったけど、体育館にさつきはいなかった。
部室のぼろい机を挟んで大人しく手当を受ける。テーピングされた白い指と裸の白い指が俺の色黒い指に絡んだ。おーおー、綺麗な指しやがって。ピアノなんか弾くお坊ちゃんはきっと爪を割ったことはないんだろう、指は緑間に十分すぎるほど慈しまれてる。


「お?ガーゼとかしねぇの?」
「アホか。湿潤療法なのだよ。ガーゼなどしたら治りが遅くなる」
「ふーん、てっきりテーピングうめえからご指名されたのかと」
「関係ないだろう。それに、人にするのは勝手が違う」
「そんなもんか」
「そんなもんだ」


俺の指もそうやって施されることを期待したのになぁ。
痛みがなくなったわけじゃない指をどうしようもなく哀れんだ。




慈しむ前に殺めた指で




思いの他片想いだった。
130311




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