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syojyomanga

「森山さん、眼鏡変えました?」


「ん?ああ、よく気づいたね」
「今度はシルバーにしたんですね、格好いいです」
「ありがとう」


レンズ越しに、伊月くんの笑顔を見る。


俺の視力は余裕で1を下回っている。
コンタクトをするものの、眼球にアレを貼り付ける感覚にはいつまで経っても慣れなくて。眼鏡は不便なことばかり。何よりバスケをするときに邪魔だ。
これだからできるだけ裸眼でいたかった。見えなくても、できるだけ。


昔から裸眼を習慣づけていたおかげでいいこともあった。その最たる事が伊月くんとコートの外で出会えた事だと思う。単に伊月くんを女子と間違えて声をかけただけなのだけれど、そんな馬鹿な話がなければこうして恋仲になるきかっけは訪れなかっただろう。


「実は俺、眼鏡嫌いなんだ」
「…不便そうですもんね」
「うん、だから本当はしたくない。しなくても頑張ったら生活できるし」
「じゃあ、なんで?」


首をかしげる、あざとい。眉を八の字にする、あざとい。うちのチームメイトと違って随分整った眉だ。机の大きさだけ離れていてもよく見えた。


「好きな人の顔くらいしっかり見たいじゃん」


伊月くんの頬がうっすら染まるのもよく見えるんだ。




あざといのはお前だ由孝。
130102




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