プラスチック・ブルー 眩しかった。届かなかった。羨ましかった。 夢を見た。背景のない世界で青のユニフォームを着た自分と早川の夢だ。 近づこうと一歩踏み出すと、白い線に気づく。俺と早川を隔てる線。踏み越えてしまおうとしたけど足が動かなかった。 早川は笑っていた。ただただ笑ってこっちを見ていた。手を伸ばしたけど空を掴んで虚しく落ちる。こんな、こんな細い線であの笑顔に届かないだなんて。努力と才能の隔たりは選ばれた早川を囲って俺を締め出したんだ。 同じ服を着ているのに、同じところに立てない。同じチームで同じ学年で、選ばれなかった事だけが決定的な溝になる。戦力外通告を受けたわけじゃない。だから青を身に纏ってる。ただ5人、届かない人の中に早川がいて、見上げる俺がいるだけ、それだけなんだ。それだけなのに。 「…枕、濡れてる」 目を覚ますと俺を襲う不快感。午前2時26分の事だった。 中村くんってすごく虚しい人だとしたら。努力も才能も平然と超えていく人たちに囲まれちゃった。(妄想乙) 足すと10です。特に意味はないけど早川。 121223 |