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せんぱいだいすきあいしてる

ゲームの愛情パラメータじゃないんだから、充分なんてわからないし、そもそもそんなものあるのかすら。
笠松先輩、俺のこと好き?って何度も何度も聞きそうになる。一緒にバスケしてくれて、勉強みてくれて、相談にものってくれて、俺のことを思ってくれる先輩なのに。どうしてこんなに不安なのかと考えれば、それって多分心ってやつが目に見えなくて触れもしない、厄介なやつだからだ。
俺ってこんなんだったっけって、先輩への恋心を自覚してからしょっちゅう思う。
なんせ恋なんてどう返事をすれば良くて、どう触れれば温まるのかなんて少しも知らなかったから。

お腹がいっぱいになるのとは違って限度がない。数学のテストとは違って正解もない。

先輩が好きって気持ちがどこから来てるのかすら、たまに不安になることがある。
それはたとえば出会いだったり、拙い憧れ、同情だったり視線だったりする。
でも夜、どんなに不安になって投げやりな思考で頭がいっぱいになっても、朝眼が覚めてぼんやりしてる間にはもう好きだなって気持ちで心が満ちみちている。
生活が忙しくて、不思議なことに毎日顔を合わせているのに心が凪いでることもある。そういう時期が過ぎた後に、ちょっとしたふれあいがあるともう嬉しくって、バカみたいにない尻尾を振って笠松先輩を好きになるのだ。

キスしてハグして食べて寝て、そんな簡単なことも先輩がいないと成り立たない。
そりゃ仕事や着替えやトイレなんか一人で済ませちゃうことの方が当たり前に多いけど、俺を支えるのはそういうことではないのだ。


せんぱいだいすきあいしてる。



黄笠の日
己の恋愛観もろバレわろた
150704





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