MAIN | ナノ






悪食王

※想像力
※異食症(似非)






赤ちんは異常。
王様みたいな言動だとか勝つことが基礎代謝だとか言ってることなんて多分、比にならないくらい頭おかしい。少なくとも俺にとっては。




ぱきん、と小気味いい音が小さく教室に響く。その音に気を良くしたのか、赤ちんは目を細めた。


「…うげぇ、まずそう。信じらんねー」
「嫌な顔するくらいなら見なければいいだろ」


恍惚とした表情を浮かべて白を咥えながらこちらを振り返る。最前列の一席に座ってる俺と教壇の上の赤ちん。上下関係ばっちり。
掃除の時に用意されたばかりの真新しいチョークに歯を立てる王様はいやらしい。センジョウテキだ。緩んだ頬で幸せそうな顔してる。なんて言うんだっけ、あれ。生き物は食事中に気を抜く、だっけ。まさにそれだ、今の赤ちん。
なんとか症っていって、貧血の人とかヒステリーの人とか妊婦の人がなる病気らしい。栄養の無いものを美味しそうに食べる病気。俺には少しも理解できない。だってチョークは美味しそうじゃない。
チョークは全然美味しそうじゃないけど、


「頭おかしい赤ちんも、好きだよ俺」


王様はとってもすごく、美味しそう。




HAPPYBIRTHDAYtoKING
121220




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -