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ロマンチストと色狂い

「おえ、いますげー幸せですよ」

力強い声。輝きを損なわない瞳。体温の高い手のひら。
思い返せばいつも早川はそうだった。いつだって俺が安心して好きでいられる早川なんだ。


「お前はいーの?俺がこんなで」
「…?もいやまさんは格好いいっす!」

きらきら。
たぶんこいつは疑う事を知らないんだろう。そう思う。相手との距離をしっかり測って違えない。無意識。
無神経かと思えば待てと言われて待つお頭はある。待っている間にも愛を絶やさない一途さもある。正直俺には勿体無いくらいのイイ恋人だ。
女の子の話をしても「もいやまさんすごいっすね!」とか「どんまいです!」と肯定的なものばかりで本当は俺の事好きじゃないのかと思う。けれどそれ以上に好かれていると感じるから不満とも窮屈とも思わない。
愛されている実感。充実。同じくらい、いやそれ以上に愛おしいという気持ちで返したい。それこそ一生かけてだ。きっとその間にも一秒と漏らさず早川は俺の事を想ってくれるだろうから。終わらないことが嬉しいいたちごっこ。
腿の上に頭を横たえる。男の固い膝枕なんて早川じゃなきゃまっぴらごめんだよ。いつだって触れていたいと思う。
頬に手を伸ばせばくすぐったそうに声をあげた。何度かゆるりと撫でてから少しだけつねる。笑う。
眩しい光に目を細めると、ぼやけた早川が笑った気がした。


「もいやまさんがおえのとこお、帰ってくうってわかってうかあ」
だかあおえ、ちゃんと待てますもん。
一欠片の苦しみもない真の言葉。両手にいっぱいの純真無垢な愛を手渡される感覚。

「俺もすごく、幸せだよ」




某方とお話していたら書きたくてたまらなくなった早森ちゃん。珍しく幸せいっぱいでびっくりです。早川好き好き!
130818




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