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おまえの子宮はうつくしい

※事後/後処理
※義務教育終了の方閲覧推奨






黄瀬はいつも「中に出して」と懇願する。
大事な後輩で大好きな恋人は大切にしたくて、だから俺は男同士の事について沢山調べた。妊娠云々に関わらずゴムなしと言うのは体に悪いらしい。
そもそもスポーツマンなのだから、体への負担は少しでも軽減させてやりたい。
だというのに、この駄犬は生挿入を望むし無理にでも中出しさせる。出させたら出させたで後処理すら拒む。腹を下すから、頼むから。むしろこちらが頼む形になる度に苛々した。


黄瀬が疲れて熟睡した事を確認。いくら体力があろうと女役はキツイらしい。セックスする度に黄瀬はよく眠った。
申し訳程度に被ったブランケットを少しめくって先程まで繋がっていた孔に指を宛てがって広げる。人差し指をゆっくり差し込んで、黄瀬を起こさないよう慎重に自分の精液を掻き出した。



以前に一度だけ、この作業の途中に黄瀬が目を覚ましたことがある。
俺が何をしているのか理解した途端に長い脚を滅茶苦茶に振り回して泣き喚いた。ヒステリックな態度の理由になんの心当たりもなく俺は戸惑う。


「なんで…こんなっサイテー!せんぱい、さいていだ!!」
「腹痛くて困るのはお前だぞ」
「…ぅひっう…うぇ…ぁ、ぁぁ゛…」
「泣くなって」
「せんぱい、はっ…おれ、おれ…あんたが」
「わかんねえよ。いいから落ち着いて喋れ」


暴れるのを止めて嗚咽を漏らし始める。上下する肩を抑えるように抱きしめても泣き声はおさまらない。


「体が柔らかかくて胸が膨らんでて子宮もあって、笠松先輩の子供が産めたら良かったのに」
「は?」
「俺が、女だったら良かったのに!」
「おい黄瀬」
「俺が女だったら先輩と結婚してまわりなんか気にしないでずっと幸せでいられるのに!」


苦しいんスよ、あんたの未来を奪った事が。だったらいっそ子供が産めちゃえば一緒にいる理由になるのに。できないってわかっていても、ない可能性にかけたいくらい俺は必死なんス。


吹っ切れたようにそう吐き出す黄瀬に、憤りと愛おしさがぶわりと溢れた。
不安になる気持ちがわからないとは言わない。言わないけど、既成事実がないと離れて行くような奴だと思われているのがムカついた。縋るほど好きなのは自分だけだと言われているような態度が虚しかった。頭がおかしくなるくらい愛されているのが嬉しかった。


覚悟できてないのはお前だよ。後ろめたいのはお前だけだよ、黄瀬。
世間様になんと言われようと、既成事実があろうとなかろうと俺はお前を手放す気はない。
口には出さず無骨な男の腹を撫でた。




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