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咲かない太陽

夏は駄目だ。
暑くて眩しくて焦がされてしまう。なんでもかんでも腐ってく。な、お前も。

「おはよう黄瀬」
「今日は向日葵を持ってきた」
「綺麗だろ」
「黄色い花弁がお前みたいだなって」

花と同じ色をした髪を掬う。奔放に伸びてべたべた絡まって不細工な髪だ。
清潔さの欠片もない髪に唇を落とす。

「こんなことしたかったわけじゃないんだ」
「こんなふうになりたかったわけじゃない」

痩けた頬を指でなぞる。

「街を歩けば視線が痛い」
「罵倒が刺さってくる」
「俺にもお前にも」
「俺達何か悪いこと、したっけなぁ」

物言わぬ唇に舌を這わせる。

「なあ、俺」
「幸せだよ」

愛しい男を抱きしめた。




ゲイバレして病んだ芸能人黄瀬と身の世話ができて幸せな恋人笠松
130205




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