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黄笠

たった二本、線を引いただけだった。たった二本。
途切れた集中力。異次元。
0と1の海。遠くで繋がるどなた様か。
活動写真の羅列。恋人の顔と世界の終わり。


檸檬。古びた家並みと目には見えぬ埃の臭い。


愛しておりますと。
二本、本当は線を切りたい。お義理のハートはチョコレイト。
ふざけてなんかない。自分は至極真面目だ。至極不真面目な見た目のせいで、勘違いを招くだけ。誤解を吸って真実を吐ければ良いのに。俺はきっと空気清浄機。世間様の移ろいで、空気汚染機にもなりかねない。
私に軸はないのだと。どこかの雲が言ったかもしれない。


一つは先輩という線だった。線の向こう側から見た線は後輩という線だった。
こんな線なら、俺の愛なら、彼なら。
飛び越えた。

もう一つは手強かった。何せ受け入れられない間(アイ)。愛というものは厄介で、育むことにおいては一人か二人で申し分無いのに。愛の認可に限っては、やれ親だのやれ友だの、やれ法律だの。勘弁してくれ。どうして愛に認が必要か。必要なのは忍び偲び。

そういうことだと、思っていたのに。


「幸せには、なれないんスねえ」
「必要ないだろ、俺にも、お前にも」


二本の線が自然、廃れる頃には俺も彼も、最早この世にはいないのだろう。
だってそれは、起きることのない世界の終末。


先輩、週末にはうち、来ませんか?


2013.10.17 (Thu) 21:05




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