junk | ナノ



黄笠

「タラント、お前は才能だよ」

だからお前とは付き合えない。笠松幸男はそう言った。
なにそれ、タラントってなんスか、なんでそんなワケわかんない理由でフラれなきゃいけない?
先輩俺の事好きでしょ、ねえ。なのにどうして。

「好きな奴の隣で、嫉妬しながら生きろって言うのか」
「え?」
「俺はそんなの嫌だよ黄瀬」

わかんないっスよ先輩、俺バカだから。バカな俺にもちゃんとわかるように言って。嫉妬って何、先輩が?俺の?どこに?

「やだ、先輩、どうして」
「…努力を怠ったつもりはない。だからこそ純粋に才能が羨ましくて…妬ましいんだ」
「そんな」

そんなのってあんまりだ。これのおかげで先輩と巡り会えたのに、このせいで受け入れられないなんて。あんまりだ。

「人を妬まないほど俺は人間出来てないよ。悪い」

あんまりだ。あんまりだ。こんなに好きなのに。どうしようもないじゃないか。

「才の違いを見せられ続けるなんて拷問だ」

だからお前とは一緒になれない。


2013.06.14 (Fri) 23:20




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -