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小堀と森山

「またフラれた」

ざあざあの土砂降り。
小堀はきっと苦笑いを浮かべてる。

「今心が圏外なんだ。なんにも考えたくない。頼むから慰めたりしないでくれよ。俺、きっともう立ち直れなくなる」

そう、思ってるはずなのに、なあ俺、なんで小堀の所に来る?
優しい言葉をもらって安心するためだ。卑怯者。一人で立ち上がる気もないくせに、口先だけはご立派。恋に破れる度に困らせるなんて、嫌なやつだよ。
本当はお前が傘をさしだして来るのを待ってるんだ。


「すぐいい相手が見つかるさ」
「でも星が定めた運命だったんだ」
「何億光年も前の光はあてにならないぞ」
「そうかな……そうかもしれない」
「そうだよ」
「そうか」
「ああ」


満更じゃないんだろう。


2013.06.11 (Tue) 23:25




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