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黄笠


「せん、ぱい、かさまつ先輩」

おう、なんだ。用事があるなら泣き止んでから来い。どこかに行ったりしないから、ゆっくりでいいんだ。お前、しゃくりあげながら喋るから、こういうときいつも何言ってるかわかんねんだよ。初めて負けた時もまた負けた時も、俺が卒業した時も、わあわあわあわあ泣きやがって、泣き虫。

「う、うぇ、ひぃっ…ひっううわぁあ、せんぱぁい、おれ、おれ」

俺の顔にぼたぼたぼたぼた涙が落ちてきた。あったかいなあ、けどすげーこそばいよ。

拭いたいのに手が届かないんだ。俺の頬。ついでにお前の目元。
おかしいなあ、俺の体、動かない。ごめんな黄瀬、抱き締めて慰めることもできないみたいなんだ。そしたらお前、どうしたら泣き止んでくれるんだろうな。

「せんぱい、大好きっす、せんぱい」
ああ、俺もだよ。
「ど、して、なんも言ってくれかいんすか」
何言ってるんだ、お前。
「せんぱいに、好きだって言ってほしいのに」
好きだよ、黄瀬。
「せんぱい、せんぱい、」


2013.06.11 (Tue) 05:17




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