[]






・臨也
吸血鬼
母方の家系の血。でも母親は普通の人。先祖返りみたいなもの。
血が混ざっているから、純血よりも副作用が少ない。
日光で肌が爛れる(黒い服の理由)程度。
血を吸ったこともないし、自分は人間じゃないんだとなんとなく思ったまま生きてきた。だから人に異常なほど執着してるし、永久の命を持つセルティの側にいる新羅に興味があった。
吸血鬼としての弱点も致死に至るほどでないことから、死ぬ方法がないんじゃないか、という不安がある。20前後で身体の代謝および成長が完全に止まったときから不安は確信に変わり、静雄の攻撃を受けても死ねなかったことで決定的なものになった。
静雄に近づいたのは最初は人間の癖に自分から人を遠ざけようとしてる姿に腹が立ったから。だけど、無意識下では静雄が自分を殺してくれるんじゃないかと考えていた。
静雄が自分を殺せないのなら彼への興味を捨てるべきだと思うようになる。

・静雄
自分の一撃を食らって立ち上がる臨也を見て、初めて彼が人間でないことを知る。
急に距離を置かれて苛立つ。
臨也が自分と争うときにどこか余裕そうに見えたのを思い出す。
てめえだけ死なないんじゃ不公平だろ、という理屈で臨也を捕まえて自分の血を飲ませようとする。(静雄自身無自覚だけど、臨也の死にたがりに腹が立っている気持ちと、独り残したくないという気持ちがある)


1、静雄の攻撃が臨也に当たってしまう
静雄は当たると思っていなかった。
明らかに致命傷だったのに、死なない臨也。
慌てて新羅のところへ運んでいく間にも傷が治っていく。

2,新羅から静雄へ説明
先祖帰り、ってわかる?

3,静雄から距離を置く臨也。回想
以前は黒真珠のような漆黒だったという。物心がついて少ししたころ、臨也の両の瞳はある日突然紅く色づいた。
普段の陽の光の下では分からない微かな紅は、どういう訳だか月光に晒されると爛々と輝く。
最初に気付いたのは母親だった。
すぐに臨也はロシアの山奥へと連れられた。針葉樹の森を抜けた奥深く、そこには物語を引っ張りだしてきたような古城があり、一人の女性が住んでいた。元を辿れば臨也の母親の家系へと繋がるその女性は、臨也を見て懐かしげに目を伏せた。体温のない冷たい手。
臨也のそれよりも格別に濃い紅い瞳から落ちる涙に、初めて臨也は孤独のなんたるかを知った。

いつか自分もああなるのだろうか。一人忘れ去られ、人目につかない場所でひっそりと暮らすだけの存在。生と死の間を彷徨う半端物。
生に特別執着も嫌悪も抱いてはいなかった。それでも、いつか独り取り残されると言われれば抗ってみたくもなる。
名をばら撒くように生を繋いでいれば、一時でも長く人と関わり続けられるだろうか。孤独は構わないが、忘れ去られるのは腹が立つ。
臨也は静雄が嫌いだった。自ら孤独を選ぶ男。臨也が必死で縋り付こうとしているものを、あいつは平気で諦める。それはなんて冒涜だろう。
人であって人でない存在。物語や伝承のどこにも彼のような存在はいない。
世界の理から抜け出た彼ならあるいは、と心のどこかで期待もしていた。
けれど、
(死ねなかった)
静雄に潰された胸に手を当てる。奥底には心の臓が形ばかりであるが存在しているはずだが、脈拍のないそこは臨也には空っぽに思えた。心臓だけではない、身体のあちこちにある臓器全てが形ばかりのまがい物だ。二十歳を過ぎた頃、臨也の身体は成長や代謝を止めた。1gも変動のない体重を、つい確かめてしまうのは我ながら下らない癖だと思う。
一般に吸血鬼と言われる存在に死ぬ方法がないわけではない。けれど、臨也は種としても異端だ。日光に晒されても肌がうっすら爛れる程度、にんにくを口にすることも出来るし心の臓を潰されてもなんともなかった。そんな自分に消滅する術はあるのだろうか。
人よりわずかばかり尖った犬歯を舌でなぞる。

4、静雄が臨也に会いに来る。
静雄が哀れんでいると思って拒絶する臨也。
「人間の癖に」
お前がその言葉で俺を遠ざけるのか。

5、静雄が自分の血を吸えと言い出す。
「てめえだけ死なないなんて不公平だろ」
臨也は呆れる。
羽交い絞めにされて、仕方なく首筋を噛むけど歯が当たって食い込まない。
静雄をここまで頑丈にしたのは臨也が散々ちょっかいをかけたせい。
自分で自分を本当に独りに追い込んだことに気付く臨也。

お前のそれ、毒みたいなもんなのか
違うけど、似たようなものかな。血を与えるってことが契約になるらしい…所詮文献に頼った知識だけど。で、なに、それが今関係あるの?

静雄が自分で肌を引きちぎる
臨也に飲ませる



top情欲アイロニー






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -