稲妻 | ナノ




※女体化
※基緑♀、円風♀、豪吹♀、(涼南♀)




「ねえ、リュウちゃん。ヒロト君にはこんなのどうかな?」
「ごめん吹雪。何度も言うけどわたしの彼氏はそんなえげつない趣味してないよ」

 街はすっかりクリスマスモード一色。街道の木々や店はぴかぴかと光るイルミネーションに飾られ、道をゆく人の中にやたらとカップルが目につくようになるこの季節。玩具売り場は子供へのプレゼントにとやたらと賑わいを見せ初めていた。

 そしてこの季節は、わたしがこっそりと憧れていた時期でもある。

 わたしとヒロトは、今年、付き合って初めてのクリスマスを迎えようとしていた。

 吹雪やいっちゃんはわたしたちより付き合っている期間が一年長い。吹雪、豪炎寺、いっちゃん、円堂、ヒロトは同じ中学だったけど、わたしだけ違ったのだ。ヒロトと出会ったのは高校に入ってから。だから今年が初めてのクリスマス。この間この話を吹雪たちに話したら、「そういえばそうだよね」と、わたしたちの付き合い始めの頃の話をし始めていた。恥ずかしいなあ、もう!

 そんなわけで、わたしはクリスマスどうしよう、何したらいいのかなあ、なんて悩んでいた。

 そんなときにいっちゃんが鶴の一声を放ったのだ。「プレゼントはあげないのか?」と。いつもどおりのクールな声で。目からうろことは、まさにこのことだと思った。しかし「そうだよリュウちゃん、プレゼント!」はしゃぐ吹雪とそれに戸惑ういっちゃんの横で、わたしはまた悩んでいた。

 プレゼントって、何を上げたらいいんだ……?!

 わたしはまだ“プレゼント”というものをまともに上げたことがなかった(記憶が曖昧なだけかもしれないけど)。中学のときは、誕生日のプレゼントは手持ちのお菓子を渡したりするのが習慣だったし、ましてや男の子にだなんてなおさらだ。しいて言うなら、子供のころ習っていた書道教室でのクリスマス会でプレゼント交換をしたのが唯一だと思う。

 そんなわたしを察してくれたのか、いっちゃんは「私たちも行くから、一緒に選ぼうか」と言ってくれた。うっかり涙が出そうになった。さすがいっちゃん、頼りになる!

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