稲妻 | ナノ




「……あー、さむっ」
「寒いな」
「ヒロト、カイロ持ってたよな」
「うん、持ってるよ」
「貸してー」
「いいよ。はいどーぞ」
「なあ円堂、ここの答解らないか?」
「えー、えーと…3分の1?」
「円堂くん違う、5分の1だよ」
「わかった、ありがとうヒロト」
「えっ俺は」
「間違ってただろ円堂は」
「ちぇー」
「今日の給食なんだろうね」
「俺カレーがいいなー」
「あっ、俺献立持ってるぞ」
「ナイス風丸!」
「今日の献立はー…たまごスープと、パンと、牛乳と、カレー風味サラダだってさ」
「俺たまごスープ好きだな」
「カレー風味かあ…、なんか惜しいよな」
「はは、確かに」
「そこー、うるさいぞー」
「…怒られちゃったね」
「先生ごめんちゃー」
「円堂、それ、心から謝ってないだろ」
「あはは」

 空を見た。青空には雲は無くて、二匹鳥が仲良く飛んでいた。グラウンドを見た。1年生は体育らしく、サッカーをしていた。緑川もいる。ふいに緑川と目があった。笑顔で手を振ってくれた。

ゆったり、のんびりと
(僕らの日々は過ぎてゆく)

キーンコーン カーンコーン
「あっ、やべ、ノート取ってないや」



…………………………
なんでもない中学生の日常が書きたかったのです。中2の男子ってよくノート取るの忘れてますよね。どんな話してるんでしょうか。

しかしこの書き方は辛かった。もう…しない。

BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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