ほんの小さな紙に書かれているのは、見知らぬ土地の名前。薄れかけている文字を指先でそっとなぞれば、泣きそうな位に必死な彼の顔を、はっきりと思い出す事が出来た。

(結局、逃げられなかったなぁ)

逃げるぞ。そう言われ無計画なまま彼と走り出した、あの稚拙な駆け落ちは結局、大人達に見咎められて終わってしまったけれど。
それでも、いつか私の手を引いたあの温もりは、今もすぐ傍にある。


▽よしだたくろーの某曲が好きすぎてつい


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