ふわ、と宙に舞うひとひら。拾い上げたそれに映し出されていたのは、仲間の馴染み深い阿呆面。ついでに、四葉のクローバーの押し花も挟んである。
すると、突然横から伸びた手に素早く奪われた。目の前には、これ以上ない位に顔を真っ赤にした少女の姿がある。

「あー…まぁ、誰にも言わねえから」

何だか可哀想になってそう言ってやると、蚊の鳴くようなほんの小さな声で、ありがとう、と言葉が返ってきた。それ以上何か話す雰囲気でもなかったので、そのまま別れた。
心なし大股で歩きながら、思いの外混乱している自分に気が付いて、思わず舌打ちをする。舌打ちした自分に、更に苛立ちが増す。何だってんだ、一体どうして動揺する事がある?
大事そうに写真を握る指先の白さが、頭の片隅でちらついて離れない。


▽ヒナタ様はナルトの写真常に肌身離さず持ってそう


×

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -