関係性なんてものは初めからはっきりとしていた訳ではなかったし、そもそも明確な線引きが出来るようなものでもなかった。生温くて、もどかしくて、けれどどこか心地良い。それで良かった。それが、良かった。
(意気地無し、か)
境界は生まれない。定義は成り立たない。ならば現状維持か、もしくは自ら崩しにかかるか。そのどちらも選ぼうとはしない俺は、確かにどうしようもない意気地無しなのだろう。
たった一言すら口に出せない臆病者は、焼け付くような苦しみの中でただ立ち竦むしかないのだ。
▽いの辺りに言われんだと思われ