▽物書きさんに贈るバトン

(金・銀+α)




狐の存分に険を含んだ一言に、獅子はその堂々たる意思を映す瞳を僅かに細めて相手を見返した。
互いにそれ以上言葉を発するでも、牙を剥くでもない無言の応酬は、まるで、目に見えぬ炎で相手を焼き殺そうとするかのようですらあった。
その場の空気が一気に危険な熱を孕んで膨れ上がる。
一触即発、という言葉がその場に居合わせてしまった不幸な仲間たちの脳裏をよぎった。

まずは鉄が、迷惑そうに眉をひそめたまま立ち上り、 不穏な空気を漂わせる二匹に背を向ける。
隣に座っていた響の、相方ならどうにかしろとでもいうような視線をを無視して翼を広げると、陽の沈みはじめた森へと飛び立っていく。
次いで、響も同じように立ち上がると、風を捕らえて逃げるように飛び立つ。
鳥たちが去った後、残った馬は暫く逡巡するように未だ睨み合いを続ける二匹を眺めていたが、やがて溜め息をついて、その場を後にした。

夕陽が炎のようにうねる森の中、二匹を止めるものは、もういない。







2.次に、三人称で二人の仲の悪さを会話文なしで説明して下さい



仲の悪さなら金銀二匹。
鉄に止めようなんて気は更々無いので、姫生が諦めたら後はもう止める奴はおりません(´∀`)ノ

(090802)