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続・Drecksack***



 最近、俺はおかしい。

「裕典、そろそろ時間じゃないのか?」
「え? あ…うん」
「楽しみにしてたんだろ? プレゼントを忘れるなよ」

 情事を終えて暫く経つのに、横たわったままベッドから出て行かない俺の髪を、馨が優しく撫でた。そんな馨の躰は既に服を纏っていて、丸裸の俺とは対照的だ。

 幼馴染であり親友である馨と、躰を繋げるような関係になったのは二ヶ月ほど前のこと。遂に馨をキレさせてしまった俺が、馨への信頼回復と資金援助継続の為に差し出したのが、この躰だった。
 始めこそ、なんで俺の躰なんか要求するんだろうって不思議だったし、やっぱり男同士で繋がることには抵抗があった。それでも今まで通りお金を馨から貰うためには必要な行為だったし、気付けば驚く程馨の躰に溺れてた。
 素人童貞な俺が知っているのはプロの技だけだけど、馨が俺に与える快楽はそれ以上のものだった。
 きっと、馨がべらぼうに上手いんだろう。もしかしたら、俺が知らないだけで過去に男を抱いたことがあるのかもしれない。そう考えると、胸の奥が押しつぶされるように痛んだ。

「プレゼント、どこに置いたっけ…」
「忘れないようにって、玄関に置いてたろ」
「あ、そうだった」
「ほら、裕典起きろ。本当に間に合わなくなるぞ」

 ベッドから俺の躰を抱き起こし、床に散らばっていた下着を渡す。

「この間新調したスーツ、着ていくだろ? 出しておいてやるから、シャワー浴びておいで」

 もう一度俺の髪を撫でるとベッドから腰を上げて、馨は振り返ることなく寝室から出ていく。その後ろ姿に、情事の余韻はない。
 はっ、と小さく息をつく。最近、なんだかおかしいのだ。
 あれ程楽しかったキャバクラ通いも、プレゼント攻撃で得られる優越感も、なんだか今は楽しくない。俺の心を満たしてくれない。
 隣に可愛いマコちゃんが座ってくれても、サキちゃんの巨乳を腕に当てられても、頭の中を巡るのは馨のことばかり。

 この二ヶ月の間で何度も何度も躰を繋げて、どんどん作り替えられていった俺の躰。そうして遂に、尻を叩かれたら勃つし、挿れられて擦られたら女みたいに中だけでイくようになった。
 目の前では火花が散って、思わず恐怖を抱くほどの快楽に躰が震える。全身が性感帯になったみたいに、腰を掴む馨の指にまで感じてしまうくらい気持ちが良いのに……そんな余韻に浸る間もなく、馨は俺の中からさっさと出ていって、その痕跡を洗い流してしまう。
 情事の最中、あまりの気持ちよさに気が狂ったように声を上げて何度もイく俺に比べて、馨は声も出さないし何度もイったりしない。もしかしたら、俺の中はそんなに気持ち良くないのかもしれない。

「裕典、早く」

 なかなか寝室から出てこない俺に、痺れをきらした馨がまた、声をかけた。


 ◇


「妬いたんだと思ったんだけどなぁ〜…」
「何がぁ?」

 ミキちゃんのド派手な五周年パーティには、誰にも引けを取らない豪勢なプレゼントを持っていった。おかげで機嫌が最高潮になったミキちゃんが、ずっと俺の隣に座ってくれているけど、やっぱり俺の頭の中を締めるのは馨のこと。

「いやぁ…ちょっとさぁ…」
「なぁにぃ? 隣にミキがいるのに別の女のこと考えてんのぉ?」

 ぷぅ〜と膨らませる頬と、ぷっくりツヤツヤの唇が可愛い。可愛いのに、どうしても気持ちが別の方へと逸れてしまう。

「ねぇ、変なこと聞くけどさ…エッチして終わったら直ぐに服着ちゃってさ、余韻もなく部屋出てっちゃうとか…さ、」
「愛が無いだけじゃなぁ〜い?」
「えっ、」
「だって、好きな相手とならピロートークしたいよ。終わったあともイチャイチャしたい」
「だよねぇ…」
「大丈夫〜、裕典くんの隣にはミキがいるよ?」
「ボトル入れなかったら?」
「隣にはいないかもね〜」
「だよね〜」

 乾いた笑いを零して、味のしない、ぬるくなってしまったシャンパンを一気に飲み込んで、また一つ溜め息をついた。
 分かってる。馨は俺を、好きで抱いてるワケじゃない。
 そこに、愛など存在しないのだ。






 馨は昔から、物や人に執着することが全く無かった。だから女の子と付き合っても長続きしないし、信者みたいな奴はたくさんいても、友達と呼べる人間は俺くらいしかいなかった。
 そんな事実に、少なからず優越感を抱いていた。

 俺だけには手を上げなかった馨。どんな我儘も笑って許して、欲しいと言えば金だって簡単にくれた。でも、今はもう違う。
 金を貰うには躰を差し出さなきゃいけないし、馨に反抗すれば殴られることも少なくない。お陰で俺の鼻の粘膜は弱くなって、すぐに鼻血が出るようになった。最悪だ。
 躰を求められたときは、もしかしたら俺のことが好きなんじゃないかと思った。でもそれは、大きな勘違いで…。
 単に俺が、今まで馨の周りにいた奴らと同じ位置まで落っこちただけなのだ。
 馨にとって俺はもう、無償で何かを与えてやれるような相手じゃなくて、きっと性欲処理にでも使わないと側に置く価値すらない人間になったんだ。

 少しも気分が上がらず、ミキちゃんが席を外した隙に店を出てしまった。

「馨、家にいるかな…」

 自分のアパートよりも、足を運ぶ回数が増えた馨のマンション。別に呼び出された訳でもないのに、抱かれることに慣れれば慣れるほど、俺の足は自然と馨に向かうようになった。
 なんだか自分から抱いてもらいに行ってるみたいで恥ずかしくて、情けなかったけど…今思えばもう、その時点で俺たちの立ち位置は決まってた。
 馨が俺を要らないと言えば、それで終わってしまう関係。幼馴染とか、親友とか、そんなちゃんとした絆のある関係なんかじゃなくて。
 俺が捨てられるのはいつだろう…? 幾度も見送ってきた、馨の過去の女たちの後ろ姿を思い出してゾッとした。


「あれ、早かったな」

 相変わらずインターホンを押さずに勝手に玄関に入ったら、丁度馨が風呂から出てきた所だった。髪をタオルで拭きながらこちらを振り向いた馨は、妙に色気を纏っている。
 部屋の中のニオイも、なんか違う。

「あ、おい裕典」

 ただいまも言わず、馨を押し退けてリビングに駆け込んだ。ローテーブルの上には、俺専用のガラスの灰皿。そこにはタバコの吸殻が二本、潰れて転がっていた。
 馨は、タバコなんて吸わない。タバコなんて吸わないんだ、馨は。ジワっと目頭に熱が篭る。

「もう俺はお払い箱か」
「裕典?」

 吸殻に、唇の痕が付いていない。馨が選ぶ女の子はいつも派手な子が多いから、女の子が吸ったなら赤い痕がついているはずだ。だとすると、相手は俺と同じ…男…か……。
 ほんの少しなら、その可能性を考えたことがあった。
 あまりに俺を抱くのが上手いから、過去にそういう経験があったのかもって、思ったこともあった。だけどそれは全て想像でしかなくて、こんな、生々しい痕跡じゃなくて。
 頭の中が真っ白になって、気付けば俺は、とんでもないことを口走っていた。

「俺、結婚しようと思う」
「………なに?」

 案外近くで、馨の声がした。

「こんな生活さ、いつまでもやってけねぇだろ? 馨だっていつ結婚するか分かんないし、また恋人できるかもしんねーし。俺もさ、そろそろ自立しよっかなって…」

 振り向いて見た馨は、般若みたいな顔をしていた。思わずビクッと躰が震えるけど、自分で自分の腕をギュッと抱きしめた。。

「キャバクラ通い、やめるよ。だからさ、もうお金…いらない」
「お前にそんなこと、できるはずない」
「でっ、できるよ! 奥さんだけを大事にして、可愛い子どもを授かるんだよ! そうやって俺は家族作って、もうお前から離れるんだよっ!!」
「この躰で、女を幸せにできると思ってるのか?」
「あひゅっ!?」

 俺の首に、馨の手が食い込んだ。

「うっ、ぐ…」
「お前はまだ分かってないのか。もう、全ては手遅れなんだよ」

 俺の躰を、床に叩き付けるように投げとばした。そうして倒れ込んだ俺の上に、馨がのしかかる。

「ひっ!」
「どれだけ俺が、お前の躰を仕込んできたと思ってる?」
「や、やだ…ヤダっ!」

 下半身に伸ばされた手が、あっと言う間に俺のベルトを抜き取った。

「ヤダヤダ! やめろよ!」

 さっきまで、俺の知らない誰かを抱いていたくせに。そんな手で、俺に触んじゃねぇよ!
 馨の下からなんとか這いずって出ようとするけど、簡単に押さえつけられて、下着ごと一気にズボンを下ろされた。
 尻が、丸出しになる。

「お前の奥さんとやらは、こんなことしてくれるかな?」
「ンあ"ッ!!」

 バシンッ!! と小気味いい音を立てて、馨の手が俺の尻を引っぱたいた。本当なら、そんな力を込めて叩かれたら、痛いと泣いてもいいものなのに…俺の躰は一気に熱を持って、下半身に欲を溜めた。

「ぁあ? なんだ裕典、いまの声は。お前は尻を叩かれて、そんな声を出すのか」
「ぃやあぁっ、あっ、あ"ンッ! アッ!」

 尻を強く叩かれるたびに、その痺れるような感覚に腰が揺れ、下半身に熱が溜まる。そうして遂に、堪えきれなかった欲望がそこから滴った。
 怒張しすぎて痛いくらいの前は、誰にも触れられてないのにもう破裂寸前だ。

「見ろ、お前もう直ぐ、尻を叩かれただけでイけるようになるぞ」
「ひゃあっ! やっ、あ! ひンッ! あっ、あ"ぁ"ああっ!!」

 叩かれて、叩かれて、何度も叩かれたその中で一際強く打ち込まれたその時、全身に電気が流れたみたいな刺激が落ちて、俺はそのまま絶頂を迎えた。
 全身がガクガク震えて、怖くて、思わず床にしがみついた。それを見た馨が、声を上げて笑った。

「凄いな裕典、前も後ろも触らずにイったな!」

 馨が、笑う。
 俺は悔しくって、情けなくって…涙が出た。

「尻を叩かれてイくような変態を、受け入れてくれる女がいるかな? それに裕典は、これだけじゃ足りないもんな?」
「あぁあっ!!」

 ぐすぐすと鼻をすすって泣く俺の尻の間に、馨が無遠慮に指を二本突っ込んだ。

「ローションも使ってないのに、簡単に二本入ったぞ」
「あっ! あンッ、あ、やぁあ! あっ、かおるぅ!」

 ただでさえ一度イって敏感になっている俺の躰は、差し込まれた指に、教え込まれた快感を求め震える。

「かおるっ、あっ、あっ!」
「裕典、どうして欲しい? 本当にもうここに欲しくない? 女に入れるだけで満足できるのか?」
「ぃやっ、ひっ、ほしっ、ほしいよぉ」
「なにが?」
「かおっ、かおるのぉおっ、かおるのいれてぇ!」
「指三本じゃ足りないか?」
「ンあぁぁあっ!!」

 急に指を増やされ、激しく中をかき混ぜられ、時折長い指が俺の良いところを掠める。口からあられもない声が上がるけど、馨はきっと分かってる。俺のいやらしい躰は、こんな刺激じゃ全然足りないってことを。
 もっと熱くて、太くて、硬いのが、怖くなるくらい奥深くまで入り込んで、全てを引き摺り出されるようなあの感覚が欲しい。
 このまま壊れてしまうんじゃないかってくらい、馨の全身で激しく突き上げて、この躰を揺さぶって欲しい。

「やっ、ちがっ!」
「なにが違う?」
「ちがっ、ちがうぅ! かおるっ、かおるのいれてよぉッ」

 死にそうなほど躰に熱が溜まっているのに、少しも発散できなくて頭がどうにかなりそうだった。

「じゃあ、結婚するのをやめるか? お前を満たしてやれるのは、俺しかいないって分かったか?」

 そんなの、とっくに気付いてる。ただ俺は、お前に捨てられるのが怖いだけ。

「だって…おれは…おまえに捨てられるのが…こあい」
「裕典…」

 馨の体重が突然俺の上から無くなったかと思うと、その躰を仰向けにひっくり返される。そうして俺を覗き込んだ馨は、初めてみる表情をしていた。
 なんだか切なそうで、でも嬉しそうで、ちょっと泣きそうな…。

「裕典お前…、俺に捨てられるのが怖いのか。だから…結婚するなんて言ったのか」
「ん…、んっ、こあぃ…こあいよっ」

 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を、縦に振る。そしたらまた、馨は眉を歪めて今度こそ切なそうな顔をした。

「それは、金が手に入らなくなるから?」

 今度は俺が悲しくなって、涙が次から次へと溢れた。

「ちがうっ! だって、だって俺は馨の特別だったのに! なんでっ、だって」
「裕典…?」
「お前がおれを落としたんだろぉ? おれっ、おれのことも、飽きたら女みたいにすてるんだ!」
「…どうして俺がお前を捨てると思うの」
「だって、もう次がいる!」
「え?」
「さっきまで、誰とヤってたんだよ! もう俺に飽きたのかよぉ! おまっ、お前が俺をこんなにしたくせに! バカ! アホ! 馨なんて嫌いだ! ぅあぁぁぁあああっ!」

 顔を手で覆って、子どもみたいに泣きじゃくる。
 馨と離れるなんて、自分が馨に捨てられるなんて、今まで考えたこともなかった。だって俺だけは特別だったんだ。
 何だって笑って許してくれて、学校が別々になったって連絡は頻繁にくれたし、同じ学校の奴らよりもよく会ってくれてた。
 彼女ができたって俺が優先で、それで何度女の子から恨まれたか分からない。だから、そんな俺が捨てられるなんて…思いもしなかったんだ。
 だけどいざ自分がその立場に立ったとき、あまりの恐怖に足がすくんだ。その場から、動けなくなった。


「裕典、裕典聞いて、裕典…」

 泣きじゃくる俺の顔に、馨がちゅっちゅと慰めるようなキスを落とす。

「お前が何を勘違いしたのか知らないが、俺に次≠ヘいないし、今後もないよ」
「だって! でもっ、テーブルに!」
「テーブル?」
「タバコっ! お前吸わねぇのにっ、誰がここで吸ったんだよ! 他に男がいるんだろ!?」
「あれ、俺が吸ったの」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない、銘柄ちゃんと見たか?」
「銘柄…?」
「裕典が吸ってるのと、同じやつ」

 俺のと、同じやつ…? 言われている意味がさっぱり分からなくてキョトンとすれば、馨は珍しく心許無さそうな顔をした。

「お前、ぜんっぜん分かってないみたいだからハッキリ言うけど、俺はお前を愛してるんだよ」
「……え?」

 驚いた俺を見て、馨は今度こそ大きな溜め息を吐いた。

「俺はお前が欲しいから、どんな手を使ってでも側に置いておきたいから、お前に女遊びの金を渡してるの」
「す…好きなのに…女のとこ行ってもいいの?」
「仕方ないだろ? 裕典は根っからの女好きなんだから。だからお前の味がするタバコ吸って、気を紛らわして、裕典の帰りを待ってたんだろ?」

 なんだよそれ…、マジで? あの馨が、俺を…?
 困ったような顔して言う馨に、俺の胸はキュンキュン締めつけられた。
 
「え…ほんとに? ほんとに誰ともヤってない…?」
「ヤってないよ」
「でもさっき、風呂上りすっげぇ色気出てたもんよ…」

 ムゥっと唇を突き出して馨を睨むと、馨は照れたように笑って、俺の頬を撫でた。

「タバコ吸ったら、お前の本当の味思い出しちゃって。どうしようもないくらい抱きたくなったから、仕方なく風呂のついでに一回抜いてたの。だからじゃないか?」

 ひっくり返っていた躰を抱き起こされ、馨の膝に乗せられた。向き合って座った俺の背に馨の手が伸びて、それは段々と下にさがっていく。やがて…むき出しで、受け入れ態勢万全になった尻の間に、指が届いた。

「あっ、ぁ…馨っ」
「裕典、俺は自惚れていいのか? お前が俺の側にいるのは、金の為じゃないって思って…いいのか?」
「あっ! あっ! かおるっ、かおる!」

 ぎゅっと目の前の馨に抱きついた。
 好きだとか、愛してるなんて言葉の意味は、俺にはよく分からない。だけど俺だって、馨をつなぎ止めておけるのなら、側に居られるのなら、なんだってやる。どんな手だって使ってみせる。
 顔を寄せた馨の耳を甘噛みしてやれば、面白いくらいその躰がビクリと揺れた。

「馨…はやく…」
「ッ、ちょっと待ってな、ゴムつけるから」
「ぁっ…ナマでも、いいよ」
「ダメ、病気になるから」

 男同士は、綺麗に洗ったってナマはダメ。病気になるからって、絶対に、どれだけキツくてもちゃんとしてくれる馨に、初めて愛情を感じた。
 今まで当たり前に受けてきたそれが、まさか俺への愛ゆえだったなんて。嬉しくって、すりすりと顔を寄せれば、今度こそ強い力で尻を割り開かれた。
 入口に、熱が当てられる。

「今日は手加減できないからな。裕典、死ぬなよ?」

 そんな馨の言葉を、身をもって思い知ることになった。



 今までのセックスなんて、セックスなんて呼ばないかもしれない。ってくらい馨は情熱的で、俺の上で汗を散らし、吐息を漏らして俺を揺さぶる。
 気持ち良くなってるのが自分だけじゃないって分かって、嬉しくて、余計に俺の躰は敏感になった。

「あっ、あっ! あンっ! あっ、あうっ! あっ!」

 俺は「あ」しか言えない人形みたいにただただ喘いで、揺すられて、あまりの気持ち良さにヨダレをたらして。
 叩かれて腫れた尻が、シーツに擦れて痛くて勃起して、中を蹂躙される快感に仰け反って、晒しだした首元を思い切り噛まれて、射精した。
 こんな変態、確かに馨にしか扱えないだろう。

「かおる…かおる…」
「ゆうすけっ、」
「あっ! あっ、ンあぁあッ!」

 そうして俺は、絶頂に意識を飛ばしてはまた揺すられて、戻されて、また飛ばしては戻されてを永遠と繰り返し。
 馨に本気を出せたことを、死ぬほど後悔する羽目になる。

 これが俺に向ける馨の『愛』なんだとしたら、俺は…。随分と重い愛を、受け取ってしまったのかもしれない。



END

2018/05/06


※裕典に「あんあん」言わせたいが為に書きました…



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