正月の醍醐味
2 つまみ食いを阻止する「おや、皆様。ようこそいらっしゃいました。ささ、お上がり下さい」
あ、父様が帰ってきたみたい。じゃあ挨拶はあとでも大丈夫かな…。
とりあえず、おせちが減るのを阻止しないと!
「こ、これ以上食べたら、沖田先輩の分を減らしますよっ!」
とりあえずそう言ってみた。
「お、そりゃいいな」
平助君も賛成してくれている。でも…。
「ふぅん。僕の分、減らすんだ」
ずいっと寄ってきて、机にひじをつきながらあの笑顔でそう言う沖田先輩に、私はたじたじになってしまった。
でも、すぐにそれが遠ざかった。
「何してんだてめぇら!」
「え。俺も怒鳴られるわけ!?」
「何ですか、土方さん」
座った目で、沖田先輩は土方先生を見下ろした。平助君は思いがけないことに、ちょっと!と言いたそうにしている。
「明けましておめでとう、千鶴。邪魔するぜ。おい、総司。つまみ食いして邪魔してんじゃねぇよ」
「別に僕、邪魔してませんよ。むしろ邪魔なのは土方さんですから」
「何が言いてぇ」
「だってさっき自分で邪魔するって宣言してたじゃないですか」
「てめぇ……」
「それに、僕はつまみ食いしてるんじゃなくて、味見してあげてるんです」
ね、千鶴ちゃん?と沖田先輩に笑顔を振られてしまった
1.とりあえず頷いておく2.どう答えていいか迷う3.首を横に振る