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とある昼下がり。
わたしは甲板に座り込んでハヤテさんとトワさんの特訓の様子を眺めていた。
ひゅんひゅん音がしてハヤテさんの剣が太陽の光を浴びてキラキラしている。
わたしは、初めて剣の特訓を見るからちょっと楽しい。
「サクヤさん、見てて楽しいですか?」
トワさんに言われて、わたしは笑顔を見せて頷く。
初めてって凄いわくわくする。
(ハヤテさん凄いです)
「決まってるだろ!俺は世界最強になるんだからな」
せかいさいきょう・・・!
何だか凄い格好いい響きです。
(頑張ってください。応援してます)
わたしがそう掌に文字を書くとハヤテさんはとても嬉しそう。
今日は久しぶりに海も穏やかで、掃除も早く終わって。
トワさんもわたしも時間が出来たからこうやってハヤテさんと一緒に居る。
「そういやナギ兄の手伝いは大丈夫なのか?」
(今日は夕方からだから大丈夫です)
お前料理出来ないんだろ?と言われ俯く。
ホントのことだけどこうはっきり言われると・・・。
(少しはマシになってます)
ふうん、とハヤテさんがじろじろとわたしを見る。
なんだろ・・・何かくっついてるかな?
変なところがあるのかと服を見てみるけれど、何も変な物はくっついてない・・・よね?
(なんですか?)
「いや、お前面白いよなーって」
面白い・・・。
前にもナギさんに言われたけど、わたし面白いのかな・・・?
割と真剣に考え込む。
(わたしそんなに面白いですか?)
「動きが?」
動き!?
何か面白いのかな・・・?
へ、変な動きはしてないはずなんだけどな・・・。
きょろきょろとしていると、背後から腕を捕まれる。
「・・・?」
突然の事に後ろを向くと、そこには何だか不機嫌そうな顔をしたナギさんが立っていた。