*ヤンデレの病黒澤です















(殺してやりたい)


瞬間的にそう思い、思わず拳銃を握る手に力が入る。
「咲さん、大丈夫ですか」
「は・・・はい・・・」
血が流れる腕を押さえながら咲さんが弱々しく微笑む。
大丈夫なんかじゃ、ないじゃないですか。

「よくもまあ、総理のお嬢さんを誘拐しようなんて考えましたね」

咲さんを背に庇いながら俺は犯人に銃口を向ける。
しかも、傷まで付けて。殺されたって文句言えませんよね。
もう少ししたらきっとSPのみなさんも石神さんと後藤さんも来るはずだ。
その前にこの男、殺してしまってもいいんだろうか。
(殺したい)
咲さんは俺のなのに、誘拐なんかして、傷つけた。
(咲さんを傷つけていいのも俺だけなのに)
その時、ようやく桂木さんたちが到着する。
桂木さんたちに咲さんの身を保護してもらおうとすると、咲さんが俺の心配をし始める。

やっぱり俺、貴女の事が好きですよ。
誰よりも、何よりも。

『また後で会いましょう』

口だけでそう言うと渋々といった様子で咲さんが頷く。
それにこの男を逮捕しないと石神さんに怒られますからね、俺。

桂木さんたちの気配が無くなったところで、俺はわざと音を立てて男に近寄る。
それから、男のみぞおちに直接銃口を当てる。

「何してるんですか」

咲さんは俺のなのに。
勝手に触って勝手に傷つけて。

「俺のモノに勝手に触らないでくださいよ」

殺したい。殺してやりたい。
「てめ・・・何し」
「俺に殺されたいですか?それとも自分で死にますか?」
銃口でみぞおちを抉るように動かすと、男が硬直したのが分かった。

「咲さんは俺のなんです。勝手に触らないでください。傷つけるなんて論外です」

トリガーに指をかけると男の視線が揺れて・・・地面に倒れる。
脅しすぎたみたいで、気絶している。
「まあ、こんなの殺したら咲さんの側に居られなくなっちゃいますからね」

ようやく到着した石神さんたちの声を背に聞きながら俺は拳銃の安全装置を元に戻した。





かくかく狂い。
(あ、石神さんお疲れ様です。え?こいつですか?応援が到着するまで待とうと思ってちょっと色々言ってたんですけど何か気絶しちゃったみたいなんですよね。少し脅し過ぎちゃったみたいです。えー、俺は何もしてませんよ、酷いなぁ。咲さん?咲さんでしたら桂木さんたちが連れて行ってくれたのできっと病院ですよ)




―――
病黒澤第二段
どうしよう、凄く・・・楽しいです・・・
思考回路が「ヒロイン>>>(越えられない壁)>>>その他全部」とかそういうのが何かもう・・・凄い滾って

Title by:Abandon



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