それは例えば




(後藤さん、大丈夫かな・・・)
少しだけ冷たい風。
振り返ると、もう後藤の姿はない。
「・・・・・・」
そっと、掌を眺めると口元に笑みが浮かぶ。
「優しい、な」
少し口は悪いけれど、冷たい人なんかではなくて。
それよりも逆にとても暖かい。
(やっぱりそういう所も昴さんと似てると思うんだけどな)
きっとそんなことを言うと「似ていない」と口をそろえて否定するのだろう。
容易に想像できて、咲はクスクスと笑う。
「蛍、キレイだったな」
田舎の祖母が懐かしい。
(今度電話してみよう。後藤さんと蛍を見たことでしょ?あ、前旅行に行った時にも後藤さんと会ったんだっけ。それから――)
何故か、後藤の名前ばかりが浮かんで、慌てて首を振る。
「あ、あれ・・・?」
何をそんなに慌てる必要があったのだろうか。
只単に最近あったことを話すだけなのに。
「うん、今度お祖母ちゃんに電話しよう」
もう一度、後藤と2人で蛍を見た湖の方を眺める。
ふわふわとした淡い光がぼんやりと見える。

(また、後藤さんと一緒に蛍が見られればいいな)






まるで小さなのような





―――
後藤さん本編3話目後の話
後藤さんマジイケメンすぎて辛い




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