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警護対象とSP。
最初に彼女に出会ったとき、彼女と俺の関係はそれだけだった。
それが変わることはないと思っていた。
変えてはいけない。
『よかったら一緒にお茶を飲みませんか?』
気がついたときには、俺と彼女の関係は少しだけ変わっていた。
命を狙われ、死の危険に晒されたときですら『総理の娘』として気丈に振る舞おうとした彼女を―――と思った。
・・・いや、思って『しまった』。
立場も、年齢も、何もかもが離れている。
SPとしてあるために、大切な人は作らないようにしていた。
それなのに―よりにもよって警護対象で、一回りも年下の人を。
いつも笑顔でいるのに、何故かそれは白々しく見える。
何処か閉鎖的で全てが作り物めいている。
いつだったか漏れた言葉が、きっと彼女の本音だったのだろうと今ならそう思う。
それならば、俺にできることはただ一つ。
彼女が心から笑っていられるように、全力をもって彼女の身を守ろう。
彼女が責任を気負わなくていいように、彼女を危険から遠ざけよう。
「笑っていてください」
貴女が笑ってくれるのなら、それだけで私は報われるんです。
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閑話休題。
大分短いけど8話と対になる感じで桂木さんの心情的なもの。