「大和」
ソファに座った後ろ姿に、包装された箱をぶん投げる。
何だよと振り返りかけた大和の頭に丁度ぶつかって、四季は満足げに笑う。

「四季・・・お前・・・」
「誕生日おめでとうございます。要らなかったら捨てて下さい」

箱を拾い上げた大和は怪訝そうな顔をして
「これが誕生日当日の人間に対する行動か・・・?」
と四季を睨む。
「あれ、私は昔からこうでしたよ。知りませんでした?」
芝居がかった仕草で肩をすくめる。
「何だよ、お前が選んでくれたのか」
ニヤッと笑みを浮かべると、四季はそれに対抗して鼻を鳴らす。
「ええ、みんなで選びました。良かったですねー、みんなからの愛です」
四季はビジネスバッグを持って玄関に向かう。
「では行ってきます。今日はそこまで遅くならないと思います」
「あ・・・ああ。気をつけろよ」
流されるのはいつもの事だ。偶に、何を考えてるのかが分からなくなる。
包装を解いて箱を開けるとネクタイ。

四季は、嘘を吐くときに少し視線を下に逸らすクセがある。

「ったく」
メール画面を開いて少しだけ追撃してやろうか、なんて思う。
どんな顔をして言い訳するのか。
それを考えると頬が緩む。


あいのかたち
(なんだよ、そんなに俺の事好きなのかよ)(何面白い事言ってるんですか)



―――
アルタイルヒロインで大和誕。
Ifのお話。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -