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*割と人を選ぶネタかもしれない
*大学生妄想話
「んー・・・」
あくびをかみ殺しながら布団から腕を伸ばしてケータイをたぐり寄せる。
まだ寝ていても大丈夫な日曜日の朝。
「さむ」
・・・そうか、昨日あのまま寝ちゃったんだっけか。
一緒に着替えも引っ張ってごそごそと着替える。
「・・・・・・」
赤い痕がついた手首を見てから、その手を首に当てる。
それから、太股に手を移す。
うっすらと残る噛まれた痕に指を這わせる。
「・・・白斗」
「おはよ。着替えたら?」
さて、ヒーターつけよう。寒くて死にそう。
これからもっと寒くなるなんて考えたくない。考えただけで死ぬ。
「おわっ」
ベッドから降りようとした私の手を引っ張って、啓一郎が後ろから抱きしめる。
「おはよう」
「ん」
こうなったら長そうなので大人しく抱きしめられておくことにする。
「あのさー」
啓一郎に体重を預けながら私は口を開く。
「どうした?」
「啓一郎って噛み癖あったっけ?」
赤くなった手首を見ながら何となしに尋ねてみる。
何か毎回噛まれてる気がするんだよね。
「・・・啓一郎?」
背後で苦笑した気配が伝わってきて、振り返ろうとすると首元に唇を寄せられる。
「・・・いっ!?」
くすぐったさを感じるよりも早く走った痛みに涙目になりながらほとんど無理矢理振り向くと、苦笑を浮かべたままの啓一郎と目が合う。
「何すんの・・・痕付いたんだけど」
「分かってる」
啓一郎が指先で噛んだ場所を撫でる。
「白斗こそ・・・」
「何・・・」
察してくれ、と耳元で囁かれて耳たぶを軽く噛まれる。
痛いくらいに強く抱きしめられる中、
「俺が嫌なんだ」
小さくそんな声が聞こえた気がした。
理性なんて外してしまえと
(そしてまた傷が増えていく)
―――
啓一郎は普段理性的なんだから酒入った時と行為の最中くらいは独占欲丸出しだったら萌えるよねっていうツイートから生まれた話。
碌なこと呟いてないのが丸わかりである。
こういうときのみ噛み癖があればいいなぁ。