47 見つける 執筆者:マリエッタ
B組の生徒たちはまだ夢の中だったのに廊下から聞こえた悲鳴に目が覚めた。
「なんやー」
「何かあったのか?」
みんなが目をこすりながら部屋の戸から顔を覗かせる。
そこには先生が丸まって寝ている様子だった。
とりあえず廊下で寝てては邪魔になるので部屋に連れ戻し
自分たちは部屋にいても暇なので庭に出てみることにした。
「思ったより広いねー」
「ねー」
夕方だからといって涼しくなるわけもなくまだ汗がでそうなぐらいの暑さ。
そんなことはお構いなしにB組の生徒は寝起きとは言えないぐらいなテンションで庭に出てきたてはしゃいでいた。
「あっ!」
ハルとユカが走って行きある場所で何かを見つけたみたいだ。
「みんなでこれしようよー」
ハルが持っていたのはフリスビー。
「よっしゃこれで誰が一番遠くに飛ばせられるか勝負するってのはどうや?」
「いいねー」
翼宿の提案によりフリスビーで遊ぶことにした。
1人1枚ずつ持ち白線に横一列に並んだ。
「柳宿線より前に出てるよ」
「あんたこそ前に出てんじゃないの!」
「せーので投げようぜー」
「はーい」
『せーー』
「ちょっと待った!」
「先生なんなのだぁ」
途中参加してきたのは先ほど廊下で寝てた心宿だ。
どうやら目を覚まして生徒たちがいないため声のする庭にやって来たらしい。
「なんでこのフリスビーが一番うまい心宿先生をおいてやろうとしているだ。さぁ私もやるぞ」
生徒全員が苦笑しながらも気を取り直しフリスビーを投げる。
11枚のフリスビーは遠くへ遠くへ飛んで行った。
「誰が誰のかわからなくなちゃったよー」
「自分のこれー」
皆が自分のを探しながらフリスビーの横に座っていく。
「やったー俺が一番だなー」
そういうのは鬼宿。だがその横には金髪の長い男が座っていた。
1人しか居ないだろう。
「いや、私のほうが1ミリ勝ったな」
「うわぁー先生大人げないなー」
「ねーそこまで本気にならなくてもいいんじゃないのねー?」
「ほんと」
「勝ちは勝ちだからな」
生徒からもブーイングを受けながらも鬼宿に勝てて誇らしげな心宿だった。