43 祈る 執筆者:ソルト


「ビーチバレーする人この指とーまれ」


美朱のとこにみんな集まり走りながら砂浜へ向かった。


「チームどうする?」

「やっぱり男女がいいんじゃない?」


ユカが言うとコート別に別れジャンケンで勝った女子から
サーブを打つことになった。

「いくよー、ソレっ」

「井宿、そっちいったで」


みんな落とすことなく順調にいっていた。
マリが向うにのコートに打ったボールが浮いてしまいその時を狙っていたかのように
つかさず翼宿がアタックを決めた。




バシッ!
すごい音がしたがコートに入っていなかった。


「うっ・・・・」


少し離れた場所から呻き声が聞こえ見てみると心宿が
顔を抑えて下をむいていた。


「どうしたんですか先生?」


聞くと翼宿が打ったアタックが心宿の顔面に直撃したようだ。


ポテポテ・・・
「血・・・!?」

「先生すまんかった、そんな風になるとは思わんくて」


翼宿が謝るのに答えようと顔をあげた。
その顔は鼻血の血が広がっていた。


「きゃー!」


と女子から悲鳴が上がり逃げ出した。


「ちょっ・・とまって・・・」

「大丈夫なんですか先生?」

男子らは駆け寄って行きとても心配になったのか顔に付いた血を綺麗に拭いた。
お世辞にも上手いとは言えなかったが嬉しさと恥ずかしさのあまり
お礼を言ったあと走って逃げてしまった。


「そんなに走った転んでしまうのだ」
「先生鼻にティッシュつめないと」


井宿達の言葉も耳に届かず走っていき男子はそのあとを追いかけていった。




「さっきは走って逃げたりしてすいませんでした」

「ちょっとした勘違いで化け物と勘違いなんかして」


ユカ達の言葉をきき心宿笑顔を作ろうとしたが苦笑いになってしまった。

「は、ははっ・・・」


男子も合流し、鼻にテッシュを詰めてもらったあと
みんなでまたコートにいき全員でバレーを楽しくしたのだった。

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