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先日高坂のED騒ぎが一段落し、若菜は以前よりずっと高坂を大事にするようになった。料理はさすがにまだまだ失敗することも多いが、高坂の同僚の伊勢崎にレシピを教わったりしてがんばっている。
「ただいま」
「おかえり」
高坂もなるべく早く帰るようにしているようだった。若菜の出来立ての料理を食べたいと言い、一緒に過ごしたいと言っていた。
「美味い」
「味薄くない?」
「健康的だろう。出汁がしっかりしてて美味いよ」
褒められるのは嬉しいのだが、翌日弁当に包んで兄のところへ持って行くと泣かれるので本当は不味いのではと若菜は考えていた。
(でもお兄ちゃんが泣く顔って面白いんだよな)
食べ終えると率先して高坂が片付けた。流しで茶碗を洗う横に行くと、微笑みかけられて少しだけドキドキする。
もう一緒に暮らすようになって随分経つように思うのだが、そのドキドキだけは変わらないような気がした。
「どうした?」
「あの、チョコを…さ」
「チョコ?じゃこれ洗ったらコンビニに」
食べたいのかと思って高坂がそういうと、若菜がにんまり笑って高坂の腰にしがみついた。
「食べたいなぁ。陣左くんのおいしいチョコバー」
「……チョコ、バー?」
はっとして振り返ると、若菜がさっと離れてしまう。急いで最後のコップを洗い終えて水切りカゴに載せると、若菜は高坂の真後ろにあった冷蔵庫に凭れて薄く笑っている。挑発するような、そんな笑みだった。
「あの、若菜」
「パソコン借りたの。使ってもいいって言ってたでしょ?お兄ちゃんとこでインターネットのやり方を教わったんだ」
初めて高坂のパソコンを使った日、高坂が見ていたウェブサイトがブラウザのタブに残っていたのだとすぐに思い当たった。だがその時見ていたものなんて思い出せない。ただ若菜の反応からして、まともなものではなかったのだろう。
「何を見たんだ」
「別に?陣左くんにしては普通だと思うよ」
「普通?」
「うん」
にっこり笑う彼女に、高坂は少し、いやかなり期待した目を向け大きく息を吐いた。
先日高坂のED騒ぎが一段落し、若菜は以前よりずっと高坂を大事にするようになった。料理はさすがにまだまだ失敗することも多いが、高坂の同僚の伊勢崎にレシピを教わったりしてがんばっている。
「ただいま」
「おかえり」
高坂もなるべく早く帰るようにしているようだった。若菜の出来立ての料理を食べたいと言い、一緒に過ごしたいと言っていた。
「美味い」
「味薄くない?」
「健康的だろう。出汁がしっかりしてて美味いよ」
褒められるのは嬉しいのだが、翌日弁当に包んで兄のところへ持って行くと泣かれるので本当は不味いのではと若菜は考えていた。
(でもお兄ちゃんが泣く顔って面白いんだよな)
食べ終えると率先して高坂が片付けた。流しで茶碗を洗う横に行くと、微笑みかけられて少しだけドキドキする。
もう一緒に暮らすようになって随分経つように思うのだが、そのドキドキだけは変わらないような気がした。
「どうした?」
「あの、チョコを…さ」
「チョコ?じゃこれ洗ったらコンビニに」
食べたいのかと思って高坂がそういうと、若菜がにんまり笑って高坂の腰にしがみついた。
「食べたいなぁ。陣左くんのおいしいチョコバー」
「……チョコ、バー?」
はっとして振り返ると、若菜がさっと離れてしまう。急いで最後のコップを洗い終えて水切りカゴに載せると、若菜は高坂の真後ろにあった冷蔵庫に凭れて薄く笑っている。挑発するような、そんな笑みだった。
「あの、若菜」
「パソコン借りたの。使ってもいいって言ってたでしょ?お兄ちゃんとこでインターネットのやり方を教わったんだ」
初めて高坂のパソコンを使った日、高坂が見ていたウェブサイトがブラウザのタブに残っていたのだとすぐに思い当たった。だがその時見ていたものなんて思い出せない。ただ若菜の反応からして、まともなものではなかったのだろう。
「何を見たんだ」
「別に?陣左くんにしては普通だと思うよ」
「普通?」
「うん」
にっこり笑う彼女に、高坂は少し、いやかなり期待した目を向け大きく息を吐いた。