*蓮二のプロポーズはいつ、どんな場所で?どんな言葉で?

「……今すぐにでもかなえたいほどの結婚願望があるのか?」


不意に聞くと彼女は、一人であわあわと顔を赤くしたりぴょんぴょんと跳ねたりとしている。可愛いな、と内心思いながらもとりあえず面白いのでからかってみる事にした。


「ふむ、もしや白馬の王子様の到来を待っているといった少女にありがちな思考をお前も持っているのか?」
『ち、違うっ。蓮二が白馬とか似合わないしっ』
「……」
『な、なによっ』


名前は、今自分がどれほどに重大な発言をしたのかが分かっていないようだ。嗚呼、迎えに来る白馬の王子様とやらに俺を当てはめているのか。どこまで俺を惚れさせるつもりなのだろうかこの少女は。そもそもプロポーズの時の台詞などを今せがんでこられてしまっては、本当に言う時にどのように使ってやろうかと考え物だな。……俺との未来がそこまで続く事が当たり前と考えてくれていることが、ここまで嬉しいとは流石に予想がつかなかった。まずい、予想以上にこれは喜ばしいことだ。赤くなった頬を隠すためにとりあえず彼女の身体を抱きしめる。


『れ、れん』
「場所は……そうだな。特別な場所でなくてもいい。隣にお前がいれば」
『っ……えっあっ……』
「だが、二人で初めてデートした時に行った公園でもいいな。……ああ、それともお前がこの間行きたいと言っていたホテルのディナーの席でもいいな。……ああ、それと」
『ま、まだ候補あるのっ?』
「……やはり、お前に恋をした学校の教室、かな」
『っ……蓮二っ……』


俺はあの日確かにこいつとの未来を想像していた。名前という少女を自分に振り向かせるが為に必至で、その心を奪いたくてがむしゃらで。自分でもらしくないほどにこの少女のことしか考えていなかったな、と今更ながらに思い出して微笑が溢れた。


「そこで、こう言ってやろう」
『え、あ、ちょっと待って、やっぱりっ、……その日、が、来たらっ、でいい』
「……ふむ。お前がそう言うなら構わないぞ」


身体を離してやると、案の定彼女は顔を真っ赤に紅潮させたままでうつむいてしまった。いつになってもこうやって初な反応をされては、計算しているのではないかとさえかんぐってしまいそうになる。だがしかし、彼女はこの動作を自然にやってのける。愛おしすぎて時々俺が狂ってしまいそうなほどに。
優しく微笑みながら顎を掬い、一瞬だけ唇に触れた。「甘い、な」と呟いてやると彼女は唇を噛み締めながら「馬鹿」とだけこぼした。
そうだ、近い将来彼女と共に母校を訪れよう。そうだな。彼女が今日の会話を忘れてしまった頃に、自然な形で彼女を連れ出そうか。そして、母校について、彼女が思い出に浸っている時に、その背中からそっと近づき抱きしめてやろう。驚く彼女を一度、腕から解放してその透き通るような瞳に囁いてやろう。


「俺に、お前との未来をくれないか」


彼女が頷いた暁には、口付けをしよう。そう、あの日、彼女が俺の想いを受け止めてくれた時のような甘い空気をまといながら。



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>ゆかさん
質問ありがとうございました。
いやいや、ゆかさんには最近ついったでお世話になりまくりで本当にありがたいです。
貢献だなんてっ、読んでいただけるだけで十分でありまするうう。
蓮二君ノリノリで書いちゃいました。いやぁ、さすがゆかさんが惚れるだけあってイケメンですよね彼!
今回の話は、日常のほのぼのとした感じで行きました。ゆかさんへの愛情溢れまくる蓮二君。
そんな蓮二君に負けないくらい私もゆかさん大好きなので!もう、このまま飛び込んでいいですか?←
これからもどうぞよろしくお願いいたします。








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