*氷帝の跡部に質問です。もしも朝起きて猫になっていたらどうしますか?

朝起きると妙に広い場所にいる感覚。おかしい、昨日までの景色と恐ろしいほどに違いすぎる。とりあえず部活に行くために起き上がる。……ちらと横を見たときに鏡に映った姿。……なるほど、猫じゃねーの。
じゃねえだろ。……なんだこれは、いったい俺の体に何が起こっている。昨日確か青学の乾の妙な汁を飲んだことを思い出してため息が出た。「にゃあ」ここまで本格的に猫になってしまえばもうなんだか諦めがつく。そんなことを思いながらあいつに文句が言いたくなり携帯電話を触ろうとするも、画面に傷がつくばかりだ。ここまでエキサイティングな朝は初めてだ。



『……は?』



そこで、不意に声をして見ると俺の唯一の姉の姿。私はまず忍足君に「けいちゃんが部活こんねん。家におります?」と朝からお色気たっぷりの声で囁かれ半ば逃げるように弟君の部屋に来たのだけども、そこに彼の姿はないなんで、なんで猫、といった具合だろう。『……なんで景吾のベッドに猫?』とぼやきながらきょろきょろしている名前の後をついていくと彼女は不思議そうに眉をしかめた。


『……え、あのさ、景吾の場所知ってる?』


お前は猫と話す気か。……まあ、いい。とりあえず意思の疎通を図ろうと思い。


「にゃあ」
『え、景吾の』
「にゃあ」
『……けい、ご』
「にゃあ」


そのときタイミングよく俺の携帯に通話。どうやら相手は乾らしく「はあっ、景吾を猫にしたのは君なの?!っていうかよく猫になったわね!っていうか、ああ、もういい!」相当パニックになっているところ悪いが、俺が一番の被害者だ。どうやら、信じてくれたらしい姉は俺のことを抱えあげるとため息をついた。


『あんたねえ、……変なもの飲んじゃだめだよ。……まあ仕方ないから、今日はこのまま家にいる?』
「……にゃあ」
『……わかった。乾君いわく明日には戻るらしいからおとなしくしとこうね』



順応な姉を持ったことに今日ほど感謝したことはない。彼女は大切そうに俺を抱えたままで「いいお天気だね」なんてのんきにつぶやいた。普段はテニスで忙しくて、姉とこのようにゆっくりしたことは久しくない。まあこんな日もいいかもしれねえな、なんて思いつつそれを伝えられないのは少々困りものだ。とりあえず明日体が戻ることを待つしかねえじゃねえか。



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>雪紫天音様

リクエストありがとうございます!
うわあ、もうまとまってない感がとてつもないですが、ど、どうぞ。猫になった景吾君です。景吾君大好きな私としては、彼が猫になったら嬉しくてニヤニヤとまりそうもありませんふふふ。
素敵なリクエストありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。





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