あー今、世界が滅びそう。

そんなことを呟いた俺に向かって、思いきり不思議そうな顔を見せたあかりさんは、首を傾げたままで「夢でも見てた??」なんて聞いてきた。
瞳を真ん丸くしながら、見つめられると、キスしたくなるのに、きっと君は無自覚でそういうことをしてきているんだね。

全く、たちが悪いなあ。
無自覚で可愛いなんてさ。


「……それにしても世界が滅びそうだなんて、やっぱり神の子の思考回路は読めんのう」

「なに。仁王の真似??」

「似てるでしょ?? というか私も仁王なんだけど」



クスクスと笑うあかりさんに「そうだね」と零しながらも、なんだか今のこの状況がとてつもなく幸せに思えて仕方ない。

何処までも続く青空。
たなびく白い雲。
腕の中には愛おしいあかりさん。
流れる時間の中に、君と俺。


「あーあ、雅治に見せてやりたい」

「何を??」

「立海大附属の部長幸村精市のこーんなに穏やかな顔」


そう言うのと、#name3#さんが俺の頬に唇を落としたのはほぼ同時だった。


「世界滅んだら、精市のその顔誰にも見せられない」

「この顔はあかりさん限定だよ」

「そりゃありがたい」


たまに意地悪な瞳を見せながら、あかりさんは俺の頬に手を沿えながら、笑う。


「これからも一生、私だけに見せてね」

「……え」

「……ふふっ、もう離してあげなーい。私に嫁がせて仁王精市にさせるんだからっ」


そう笑いながら言う貴女になら嫁いで仁王精市になるのもいいかなって思ってしまった。



世界が滅びそう




だって君が愛おしくも美し過ぎるから。



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仁王姉と幸村君。
HAPPY BIRTHDAY・0305・精市!! 





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